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今週のコラム 第1話:オーナー社長と雇われ社長(=会社員)の違い

 「よく決心されましたね。私はとても怖くて、独立・起業はできません。応援しています。。。」── 私が起業して、銀行を退職する旨のお話をした際に、上司・同僚・人事部などから異口同音に言われた言葉です。

 メガバンクの正社員というと安定している印象があるかも知れません。
以前でしたらえ50歳前後に取引先様や関連会社への出向⇒55歳前後の役職定年時に転籍⇒転籍先で定年退職というのが、役員になる場合を除けばこれまでの一般的なパターンでした。

 2017年10月「3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ」という記事が日本経済新聞に掲載されました。「デジタル技術による効率化などにより、業務削減分を単純合算したものですが、マイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況に陥っており、従来の収益モデルの転換が迫られていることが明確に指摘されました。

 その後、転職市場では、銀行員の転職希望者増加に伴う供給過剰で、これまでの出向先での年収が大幅にダウン。それまでは、「銀行員」というだけで高い年収が約束されていましたが、すでに遠い昔の話になっています。

 以前なら「人生の舵」を会社に任せたとしても企業に体力があり、「終身雇用」で守られていましたから問題はありませんでした。しかし、バブル崩壊後の失われた30年で景色はガラッと変わりました。

 企業の体力は大幅に低下し、「終身雇用」は過去のものとなったため、「人生の舵」は自分でコントロールしなければ生き残っていく事は難しく、気づかぬうちに「茹でガエル」になってしまうのです。

「茹でガエル」=「カエルをいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出して逃げるが、水から入れてじわじわと温度を上げていくと、カエルは温度変化に気づかず、生命の危機を感じないまま茹で上がって死んでしまうことの例え」

 この言葉を思い浮かべるたびに思い出すのは、とある中堅商社のオーナー社長からの質問です。
「高窪さん。オーナー社長と雇われ社長の違いって何かわかるかな?」
私の回答は「オーナー社長は株主であり、会社の所有者。雇われ社長はサラリーマン。」という、ありきたりなものでした。

しかし社長の正解とは全く違っていたのです。

 「(何があっても最後まで責任を取る)覚悟があるか、ないかだよ。」「オーナー社長は部下が不祥事を起こそうが、バッシングを浴びようが、どんなことがあっても最後まで責任を取って会社と心中するもんなんだよ。」

 銀行であれば、もし「頭取」がオーナーなら「(何があっても最後まで責任を取る)覚悟がある」だろう。しかし、雇われ社長(=会社員)だから「当然ながら、最後まで責任を取る覚悟がないし、(いくら肩書きが偉くても、会社員なので)そもそもそんな考えさえないんじゃないかな?!」とおっしゃっていました。

 さらに、その社長は、「太陽が東から昇るのも俺(=社長)のせい」、「郵便ポストが赤いのも俺(=社長)のせい」、「△△が○○なのも俺(=社長)のせい」ということで、世の中で起こること全てが自分のせいであり、そこからどうしていくかを考えるのが社長の仕事ということを教えていただきました。

 その「真実」が分かっていたにもかかわらず、私が今回、起業を最終的に決心するまでに、実に10年以上の時間がかかりました。
このまま銀行にいても「沈み行くタイタニック号で、パーティーの席を争っている」ことは十分にわかっていたのに、心理学でいう「現状維持バイアス」で、明らかに現状を変える選択にメリットがあるにもかかわらず、それを避ける選択をしてしまっていたのです。

 それにしても、「現状維持バイアス」ってすごいですね。

 「起業に失敗したらどうしよう」
 「稼げなくなったら、家族が路頭に迷ってしまう」
 「(娘からは)私が大学に入るまでは銀行員でいて、、、(泣)」
 「○?!/4G+><」
 という感じで、どんどん襲いかかってきますし、自分の心の中で格闘していました。
 ちなみに、妻はすでにオーナー社長でしたので、「頑張って!GO!GO!」としか言いませんでした(笑)

 でも、「(何があっても最後まで責任を取る)覚悟が決まる」と、あら不思議?!
 「起業に失敗したらどうしよう」
 ⇒  命をとられるわけではないので、成功するまでやろう。
 「稼げなくなったら、家族が路頭に迷ってしまう」
  ⇒  収入がゼロでも、どれくらいの期間我慢できるかを確認して、家族の理解を得る。
 「(娘からは)私が大学に入るまでは銀行員でいて、、、(泣)」
 ⇒  大学に入るまでの資金は確保したので、安心してね。
 「○?!/4G+><」
  ⇒  △□!>?<
 という回答が自分の中にできて、それを家族や友人・知人にも説明できるように。

 現在では、一度きりの人生、リスクばかり気にして、やりたいこともやらないなんてもったいない。不安なら、不安がなくなるまで努力していこうと思えるようになりました。

オーナー社長のように、「太陽が東から昇るのも俺(=社長)のせい」、「郵便ポストが赤いのも私(=社長)のせい」、「△△が○○なのも私(=社長)のせい」ということで、世の中で起こること全てが自分のせいというところまでは至っておりませんが、そこからどうしていくかを考えられるようになりました。

 もし、あの時のオーナー社長に、現在の私の状況・考え方をお話しする機会があったら、「高窪さんも、こちら側の仲間になったんだね。覚悟を決めて、経営者人生をトコトン楽しみなさい!」と激奨してくれたのではないかと想像しています。

 31年間の銀行員経験で培った法人担当4,000社以上、審査部担当者として企業審査1,000社超、ビジネスマッチング100社超の実績を活かして、日本経済の土台となっている中小企業様とともに日本の発展のために力を尽くす所存です。

 コロナ禍で、緊急事態宣言が出されている状況ではありますが、社長であるあなたは、どのようにしてこの状況に打ち勝とうと考えていらっしゃるでしょうか?

「コロナが流行っているのも、私(=社長)のせい?!」との思いを共有し、ここからどうすれば明るい日本をつくっていけるか、一緒に考えていきましょう。