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今週のコラム 第10話:経営者が銀行と良い関係を築くために必要なたったひとつの条件

「銀行を活用した営業部隊の仕組みづくりと言われても、取引銀行に行くのはお金を借りる時だけ。私の会社のような銀行とのお付き合いでも、高窪さんのおっしゃるように銀行を活用することは可能でしょうか?」―――当社の「銀行を活用して新規取引先が継続的に増やせる3大仕組み構築法」にご興味をお持ちいただいた経営者の方からのご相談です。

私が銀行員だったとき、個人の方から「銀行ってお堅くて近寄りがたいイメージだけれど、あなたは違うわね(笑)」というコメントだけでなく、お取引先の経営者の方からは「必要な時は貸し渋りして、不要な時に借りてくれ、とは言わないでね」や「うちの会社は相手にされないと思っていたけど、そうでもないのかな?!」と言われるなど、銀行に対してのイメージはプラスのものばかりではないようです。

一般的に銀行は敷居が高く、できれば積極的にかかわりたくない、というイメージが大多数ですよね。

それではなぜ「銀行は雨が降った時には傘を貸さず、晴れた時に傘を差し出す。」、
「うちの会社は銀行に相手にされていない。」と感じる経営者の方が多いのでしょうか。

これからご紹介する「銀行サイドの視点」をお持ちいただくことで、銀行と良好な関係性を築け、さらに不測の事態が起こった際にも適切な対応ができるようになります。
今までご相談いただいた経営者の方々も、これからお伝えすることを念頭に置いて銀行と対峙していただいたことによって、良好な関係性を築くことができるようになりました。

<融資の仕組み>
1.融資の基本原則について
① 安全性の原則:融資が期日に回収できること。これが一番大事。
② 収益性の原則:リスクに見合った適正な収益を得られること。
③ 成長性の原則:融資の結果、融資先の健全な成長につながること。
④ 公共性の原則:融資先が法令や行政上の規則、指導に従いビジネスを行っていること。
⑤ 流動性の原則:融資期間を調達する預金などの期間に見合った期間にすること。

2.融資先(=債務者)の評価について
①債務者格付
融資先(=債務者)の「将来の債務返済能力」を示す客観的な指標として、各銀行が独自に定めたもの。
②債務者区分
「債務者区分」は、債務者の財務状況、資金繰り、収益力等により、返済の能力を判定して、その状況等により債務者を正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先及び破綻先に区分する。
③資産査定(自己査定)
さらに、これらをベースに、銀行の融資資産全体(ポートフォリオ)のリスク=回収懸念を分析すること。
④債務者区分による融資への影響
債務者区分の違いで、融資の可否について線引きがなされます。

「正常先」と「要注意先」については、融資検討可能ですが、「破綻懸念先」、「実質破綻先」および「破綻先」については、融資検討不可となります。

融資可能な「正常先」と「要注意先」であれば、債務者格付の順位が高い企業ほど返済できなくなるリスクが少なくなるので、よりよい条件(より多くの融資金額、より低金利での融資、保全・担保等の信用補完不要など)で融資を受けることができます。

一方で、格付が低くなるほど融資金額が減らされたり、融資金利が高くなったりします。
また融資実行時に、保証人や担保を必須とされたりして、融資条件が悪くなってきます。

さらに「破綻懸念先」、「実質破綻先」および「破綻先」は返済ができないので、融資をすることができません。
会社に融資する銀行の立場を経営者であるあなたに置き換えて、他社や従業員へのお金を融通するイメージで考えていただくと、ご理解いただきやすいと思います。

3.融資案件の評価ポイントについて
①債務者区分(格付)
②資金使途
③返済原資
④返済条件(上記②および③に応じて適切か)
⑤申出背景の妥当性
⑥担保・保全(信用補完)
⑦リスク・リターンの妥当性
⑧総合的判断

銀行が融資案件を評価する際に、あなたが経営する会社の債務者区分が、融資検討可能な「正常先」または「要注意先」であることが前提となります。その上で、融資の基本原則についての適格性、債務返済能力、資金使途、返済原資、返済条件に問題がなく、申出背景が妥当であることが必須条件となります。
さらに、保全の確保、リスク・リターンの妥当性を検証した上で、総合的な融資判断をおこなうこととなります。

あなたの会社の「業績がいい」場合は、返済できなくなるリスクが少ないと判断され、より多くの融資金額、より低金利での融資、保全・担保等の信用補完不要など、より良い条件で融資を受けることができます。
逆に、「業績が悪く」なればなるほど、返済できなくなるリスクが大きいと判断されますので、融資金額が減らされたり、融資金利が高くなったりします。
さらに、融資実行時に、保証人や担保を必須とされたりして、融資条件が悪くなってきます。

上記のようなポイントを押さえて銀行は融資案件を評価するので、「業績がいい(=晴れた)」ときには傘を貸して=融資をして、「業績が悪い=雨が降った」ときには傘を奪う=融資をしない・融資条件が悪くなると揶揄されることが多いのです。

未曾有の事態である「コロナ渦」の状況下、経営者であるあなたが銀行に融資の申し込みをする際に、上記の融資の基本原則、融資先の評価、融資案件の評価をぜひとも押さえてください。

融資申込み時点で、一番、重要視されるのは、安全性の原則=銀行があなたの会社に融資したお金を、約束通り返してもらえる可能性が高いかどうかがポイントです。

銀行内で「あなたの会社が融資の返済をキチンとできる説明・共有」がされることが最重要なのです。

融資の返済を確実にできる説明・共有が十分になされて、返済できなくなるリスクが少ないと銀行が判断すれば、より多くの融資金額、より低金利での融資、保全・担保不要など、よりよい条件で融資を受けることができます

逆に、説明・共有が十分になされずに、返済できなくなるリスクが大きいと銀行に判断されてしまうと、融資金額が減らされたり、融資金利が高くなったりします。さらに、融資実行時に、保証人や担保を必須とされたりするなど、融資条件が悪くなってきます。

銀行を活用するためには、あなたの会社が「正常先」であり、「格付」も上位であることが必要条件となります。
「うちの会社は銀行に相手にもされていない。」と経営者であるあなたが感じているのであれば、それはあなたの会社が「あなたの会社が融資の返済をキチンとできる説明・共有」を銀行にしていないか、そもそも銀行が求める水準をクリアしていないかのどちらかです。

銀行を活用して、良好な関係を築いていくためには「格付」「債務者区分」「融資案件の評価ポイント」の理解が必須です。その点を押さえて、「銀行に対してキチンと説明するとともに、不足部分があれば銀行から指摘してもらい、今後の改善項目とする」ことで銀行とよりよい関係を築けるようになります。

普通の人間関係に置き換えて考えれば、これが決して難しいことではない、ということがわかります。
友人となりお互いを理解するためには、出身地、趣味、仕事、家族構成、、、などを説明・共有することと同じです。

親交を深めるために必要なたったひとつの条件、それは「相互理解」です。
経営者が銀行と良い関係を築くために必要なたったひとつの条件も、普通の人間関係と同じく「相互理解」なのです。

「相互理解」を深めていくことで、銀行を活用した「ビジネスマッチング」だけでなく、いつでも必要なときに必要な金額を「資金調達」することが可能となり、これらを両輪としてあなたの会社の売上増加を実現することができるようになります。

このコラムをお読みいただいている経営者のみなさま、銀行との相互理解を深めて「銀行を活用して新規取引先が継続的に増やせる3大仕組み構築法」を実践することで、「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」という、「三方よし」の経営をご一緒に実現させましょう!