ビジョン実現コンサルティング

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今週のコラム 経営者なら10年後の明るい未来を描いてみせよ!

「髙窪先生、コロナ明けでアクセルを踏み込んでいるのですが、これまでよりも厳しい状況が続いています。パッと思いつくだけでも、原材料の高騰、人材の枯渇、大口取引先からの値下げ要請、対象マーケットの縮小…と当社だけではなんともしようがないことばかりで、お先真っ暗な状況です。現状を打開するヒントをいただけませんでしょうか?」──先日のセミナーにご参加いただいた金属加工業の社長からのご相談です。

確かに、外部環境だけを見ると、経営者にとって悩ましい状況が続いており、今後更に悪化することが想定されますので、お先真っ暗という感覚も十分に理解できます。

【経営者の責務とは】

理解はできるのですが、経営者は時代の変化に合わせて「儲かるビジネスモデル」に変えながら目標・方針を決定し、「自走する組織」を構築することで「儲かる商売の仕組みづくり」をしなければなりません。それが社長:経営者層という階層の責務(経営理念、事業理念など経営に関する決定をする)なのです。

どれだけ厳しい外部環境であったとしても、10年後の明るい未来を描くことができるのは経営者しかいません。最高経営責任者であるあなたが、必死になって10年後の明るい未来を描くのです!

各階層の責務について

あなたが経営する会社では、それぞれの肩書きに応じた階層はどのようになっていますでしょうか?それぞれの会社の置かれた状況などにもよりますが、イメージしやすい言葉で定義すると次のようになります。

 社   長:経営者層(経営理念、事業理念など経営に関する決定をする)

 部   長:管理者層(経営者層の決定に基づき、企業活動ができるように管理・実行する)

 課   長:判断者層(日常業務上、判断を要する事案について判断・管理・実行する)

 一般従業員:作業層(日常業務をおこなう)

当然ながら、それぞれの階層で必要となる要件・権限などを固めることで、何をやる階層であるかが明確化します。明確化すれば、企業活動をスピーディーに行うことができるだけでなく、各階層のそれぞれの権限内で判断・管理・実行ができるようになるため、社長の負担が激減します。

こうして各階層がきちんと機能するようになると、社長が本来経営者として本来行うべき、経営に関する決定などをする時間が確保できるようになるので、きっちりと対応するようにしてください。

【経営者が明るい未来を描くために必要なもの】

さて、これからが本題です。

こんな時代だからこそ、10年後の明るい未来を描いてみましょう。

あなたが経営者として夢見る未来を実現するために、事業未来図を活用して儲かるビジネスモデルを築き、自走する組織を創り上げることが重要です。そのために必要な要素や手法について一緒に考えていきましょう。

1. 経営者の夢を明文化する

    * 経営者の夢は北極星です。それを実現するために、具体的なビジョンを描きましょう。

    * どのような業界や市場に進出したいのか

* 新たな価値提供や技術革新はどのようなものか

* 売上や利益の目標は何か

* 10年後の会社像はどのようなものか

外部環境や内部環境を全く考えずに、必要なものは全て揃っているという前提で、自由にイメージしてみてください。

わかりやすくイメージしていただくために、今からあなたは「映画監督」です。

これから、あなたの会社の今後10年、それ以上のサクセス・ストーリーをつくりあげるのです。

映画監督ですから、どのような設定も自由自在です。極端かもしれませんが、創造神(そうぞうしん)になったものとして、気持ちの赴くままにサクセス・ストーリーを描いてください。

ハリウッド映画のサクセス・ストーリーでは、ヒーローズジャーニーと呼ばれるストーリー展開が組み込まれています。ヒーローズジャーニーは、主人公のありふれた日常からスタート。冒険に出発するきっかけがあり、初めは二の足を踏むものの一歩を踏み出します。その後、様々な困難や敵に出逢いながらも成功体験を得て冒険成功への確信・信頼を膨らませながら最終的にはヒーローになっていくのです。

あなたも経営者として、ヒーローズジャーニーのストーリー展開をしてみましょう!主人公であるあなたは、社長としてありふれた日常からスタート。原材料の高騰、人材の枯渇、大口取引先からの値下げ要請、対象マーケットの縮小…そして、コロナ禍という未曾有の困難に直面し、経営という荒波に自ら飛び込む冒険に出発するきっかけを得ます。初めは二の足を踏むもののはじめの一歩を踏み出します。その後、様々な困難や敵に出逢いながらも成功体験を得て冒険成功への確信・信頼を膨らませ、従業員の協力を得ながら、最終的にはヒーローとなり、経営者の醍醐味を思う存分に味わうのです。

いかがでしょうか?想像するだけでもワクワクしてきませんか?

ハリウッド映画監督のように、ヒーローズジャーニーのストーリー展開を自ら気持ちの赴くままにサクセス・ストーリーを描いていけるのです。

そして、ストーリーを明確にした上で、経営者としての夢を具体化しましょう。

具体化するために、経営理念、事業理念を定め、事業目的を決定するとともに、事業方針を明確にすることで会社の舵取りを固めます。

また、外部環境、内部環境の認識を共有するとともに、対応方針を決定します。

最後に、会社の将来像(社長としての夢)とグループ経営方針をどうしていくかをまとめればいいのです。

2. 事業未来図の作成

    * 事業未来図は経営者の夢を具現化するための羅針盤です。経営者であるあなた自身が率先して作成し、全従業員に共有しましょう。

    * 事業未来図には企業グループでの業績推移見込み策定、事業モデル策定、業務改革ステップの決定、基本方針と必要となる要素の決定などが含まれます。

    * 未来図は柔軟性を持ちつつも、着実な進化を遂げるための戦略的なロードマップとなります。

3. ビジネスモデルの変革

    * 現在のビジネスモデルが未来でも儲けを出し続けることは難しいでしょう。環境の変化や競争の激化を見越して、変革が必要です。

    * デジタル化、サービスの拡充、新たな市場への進出など、様々な戦略を検討しましょう。

    * 顧客のニーズや市場の変化を的確に捉え、付加価値を提供することが重要です。

4. 自走する組織づくり

    * 従業員が自ら考え、対話し、行動する組織を築くことが、持続的な成功の鍵です。

    * そのためには、心理的安全性の確保が必須です。

→  心理的安全性についてはこちらのコラムを参照ください。

    *対人関係構築による対話できる場の醸成、人に仕事をつけない社内制度の確立、人事評価制度の改定などが必要となってきます。

【自走する組織を構築するための要素について】

心理的安全性を確保した上で、以下の要素を取り入れることで自走する組織を構築しましょう。

* コミュニケーションの促進

従業員同士や部門間のコミュニケーションを活発化させます。定期的なミーティングや情報共有の場を設け、情報の透明性を高めましょう。また、アイデアや意見を積極的に受け入れる風土を醸成し、従業員の声を重視しましょう。

* 意思決定の分散化

上下関係や階層的な組織文化ではなく、意思決定を分散させる仕組みを作ります。従業員に対して責任と権限を委譲し、自ら判断して行動できる環境を整えましょう。これにより、迅速な対応や革新的なアイデアの実現が可能となります。

* チームワークの強化

従業員同士の連携や協力を促進するために、チームワークを重視しましょう。クロスファンクショナルなチームを組織し、異なるバックグラウンドや専門知識を持つメンバーが共同で課題に取り組む機会を提供します。さらに、目標設定や評価の方法を個人の成果からチームの成果にシフトさせることで、協力や協力意識を高めることができます。

* 教育・育成プログラムの充実

従業員の能力開発や成長を支援するために、継続的な教育・育成プログラムを導入しましょう。新たな知識やスキルを身につける機会を提供することで、従業員の自己成長意欲を高めます。さらに、リーダーシップや問題解決能力を育成するトレーニングも重要です。

* 成果の評価と報酬体系の見直し

自走する組織を実現するためには、成果に基づいた評価と報酬体系を導入しましょう。従業員が自身の成果を明確に把握し、それに応じた報酬や評価を受けることが重要です。以下のポイントに留意して見直しを行いましょう。

* 目標設定と評価基準の明確化

従業員ごとに明確な目標を設定し、それに基づく評価基準を明示します。目標は具体的で測定可能なものであり、従業員が自らに課すことができるようにします。評価基準は透明で公平なものでなければならず、従業員が自分自身の成果を把握しやすい形で示されます。

* フィードバックと振り返りの文化の醸成

定期的なフィードバックと成果の振り返りを行うことで、従業員の成長と改善を促します。上司や同僚からの具体的なフィードバックやアドバイスを受けることで、従業員は自身の強みや改善点を認識し、さらなる成果を追求する意欲が高まります。

* 報酬体系の公正性と透明性の確保

報酬は成果に応じて適正に設定されるべきです。公正かつ透明な報酬体系を確立し、従業員が自身の努力や成果が適切に評価されることを保証します。報酬の基準や評価プロセスは明確に伝えられ、偏りや不公平な扱いがないようにします。

* 成果に応じたインセンティブやキャリアパスの提供

成果に応じたインセンティブや報酬の提供に加えて、従業員のキャリアパスを見据えたサポートも重要です。従業員が成果を上げることでキャリアの成長や昇進の機会が与えられることで、モチベーションや意欲を高めることができます。

* 優れた成果を認める文化の醸成

自走する組織では、成果を達成した従業員を積極的に認める文化を醸成します。優れた成果や貢献が公表される場や表彰制度を設け、従業員のモチベーションや自尊心を高めることが重要です。

【成果主義文化を浸透させるために】

自走する組織では、従業員が自らの成果を追求し、積極的に挑戦する意欲を持つことが求められます。以下のアプローチで成果主義文化を浸透させましょう。

* 目標設定と透明性

従業員が成果に向けて取り組むためには、明確な目標設定が必要です。組織全体のビジョンや目標を従業員と共有し、個々の役割や目標を明示します。さらに、進捗や成果の可視化を通じて透明性を確保し、従業員が自身の貢献度を把握できるようにします。

* 自己責任と権限委譲

自走する組織では、従業員に対して自己責任を持ち、主体的に行動する機会を与えます。従業員に必要な権限や裁量を委譲し、自らの判断と行動によって成果を上げることを促します。リーダーシップの役割はサポートや指導に重点を置き、従業員の成果に対してフィードバックやアドバイスを提供します。

* 学習と成長の機会

成果主義文化を育むためには、従業員の学習と成長を支援する仕組みを整えます。継続的なトレーニングやスキル開発プログラム、挑戦的なプロジェクトへの参加などを通じて、従業員が自己成長に取り組む機会を提供します。また、失敗を受け入れる文化も重要であり、挑戦と学習のプロセスを支援します。

* フィードバックと認知

従業員の成果を評価し、フィードバックと認知を積極的に行います。定期的な評価やフィードバックセッションを通じて、従業員の強みや改善点を共有し、目標達成に向けたサポートを行います。また、優れた成果や貢献が認められる場を設け、従業員のモチベーションとやる気を高めます。

* 形成と共有

成果主義文化を浸透させるためには、組織全体で共有される必要があります。以下の手法を活用して、成果主義文化を形成し、組織全体で共有しましょう。

* リーダーシップの役割モデリング

リーダーは成果主義の概念を実践し、自身が目標達成や成果に対して責任を持つ姿勢を示すことが重要です。リーダーは従業員に対してモデルとなる存在となり、成果主義の理念や行動をデモンストレーションします。

* コミュニケーションと情報共有

成果主義の重要性や進捗状況、優れた成果などについて、定期的なコミュニケーションと情報共有を行います。会議や報告書、社内ツールなどを活用して、成果に関する情報を透明かつ包括的に共有し、従業員が全体の方向性や進捗を把握できる環境を作ります。

* 社内コラボレーションと共有プラットフォーム

成果主義文化を促進するためには、従業員同士のコラボレーションを支援するプラットフォームを導入します。プロジェクト管理ツールやコミュニケーションツールを活用し、チーム間の情報共有や意見交換を促進します。また、優れた成果や学びを共有するためのプラットフォームや内部コミュニティを設けることも効果的です。

* 社内イベントやワークショップ

成果主義を浸透させるために、社内イベントやワークショップを開催します。成果を共有し、成功事例やベストプラクティスを発表する場を設けることで、従業員のモチベーションや学びの機会を提供します。また、成果主義に関するトレーニングやワークショップを通じて、従業員が成果を上げるためのスキルやマインドセットを養います。

* 文化の価値観と評価基準の明確化

成果主義を支える文化の価値観と評価基準を明確に定義しましょう。組織のビジョンや行動指針を作成し、成果主義の理念を具体化します。

【まとめ】

経営者は時代の変化に合わせて「儲かるビジネスモデル」に変えながら目標・方針を決定し、「自走する組織」を構築することで「儲かる商売の仕組みづくり」をしなければなりません。それが社長:経営者層という階層の責務(経営理念、事業理念など経営に関する決定をする)なのです。

そのためには、ハリウッド映画監督のように、ヒーローズジャーニーのストーリー展開を自ら気持ちの赴くままにサクセス・ストーリーを描いていくのです。

サクセス・ストーリーを明確にした上で、経営者としての夢を具体化しましょう。

社長の夢を具体化した「事業未来図」を活用して営業利益率12%超を実現し、毎年、着実に利益を上げて億円単位の利益を実際にもたらす「儲かるビジネスモデル」に変えるとともに、「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」づくりをすることで、経営者の醍醐味を味わうことができます。

なお、組織が自走するためには、以下の要素が重要ですので、きちんと対応してください。

1. 成果主義文化の醸成

従業員が成果を重視し、自らの成果に挑戦する意欲を持つ文化を築きましょう。成果を評価し報酬や昇進に反映させる制度を導入し、成果に基づいた評価を行います。

2. コミュニケーションと協力の促進

チーム内や組織全体でのコミュニケーションを活発化させ、従業員が対話し合い意見を交換できる環境を整えます。協力や協働を奨励し、チームワークを高めます。

3. 役割と責任の明確化

各従業員の役割と責任を明確に定義し、目標やタスクの達成に向けた役割分担を行います。従業員が自身の役割に集中し、成果を追求することができます。

4. フィードバックと成長の促進

定期的なフィードバックセッションを通じて従業員の成果を評価し、個別の認識とサポートを提供します。従業員の成長とキャリアの発展を支援し、スキルや能力の向上を促します。

5. モデルリーダーシップの展示

リーダーシップ陣が成果主義文化を具現化するモデルとなります。リーダーが成果を追求し、従業員の成果に対して公正な評価とフィードバックを提供し、従業員のモチベーションと満足度を高めます。

これらの要素を組織全体に浸透させることで、自走する組織を実現し、組織の競争力を高め、持続的な成功を確保することができます。リーダーシップの重要性や従業員の成果に対する評価と報酬体系の見直し、優れた成果の認知と報酬体系、文化の価値観と評価基準の明確化、信頼と満足度の構築、従業員の成長とキャリアの発展などの要素も重要であり、それぞれが相互に補完し合っています。

リーダーシップの重要性は、組織の方向性を示し、モデルとなる行動を示すことで従業員に影響を与えます。成果に対する評価と報酬体系の見直しは、従業員が成果に注力する意欲を高めます。優れた成果の認知と報酬体系は、従業員のモチベーションを向上させ、業績の向上につながります。

文化の価値観と評価基準の明確化は、組織全体での行動基準を確立し、一貫性を持った評価を行うために重要です。信頼と満足度の構築は、従業員の働きやすさや組織への帰属感を高め、組織に対する忠誠心を生み出します。従業員の成長とキャリアの発展は、組織が人材の育成に力を入れることで、能力を引き出し組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

これらの要素を総合的に取り組むことで、自走する組織を実現し、組織の競争力を高め、持続的な成功を確保することができます。また、組織内の従業員はより意欲的に働き、自身の成長とキャリアの発展に取り組むことができます。

あなたは経営者として、どのような10年後の明るい未来を描かれるでしょうか?
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