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今週のコラム 第21話:いつまでも下請けから抜け出せない経営者の共通点

「コロナ禍で親会社からの受注が大幅に減ってしまいました。このままの状況が続くと事業継続が難しいのですが、一発逆転できるような解決策はありませんか?」──系列の親会社からの受注が減少しているとある経営者の方からのご相談です。

これまでは所属している系列の親企業からの受注だけで、特に新規営業をする必要もなく、言葉を選ばなければ「経営者として何も考えなくても」、会社として稼ぐことができていたのですが、コロナ禍の影響で親会社からの受注が減り、稼げなくなってしまった・・・とのこと。

このようなご相談は、銀行員のときにも多数いただきましたが、
「経営者としての覚悟を持って、あなたが親企業以外の企業から新しく受注を獲得してください。一発逆転できるような解決策もありますが、先ずは一社獲得されてからでないと、うまくいきませんので・・・」
といつも同じ回答を差し上げています。

系列会社という明確な資本関係がなくとも、売り上げが大口の受注先に依存していて、完全な下請け状態になっている中小企業も少なくありません。
上記のように会社が「系列」や「下請け」になっている場合、親会社や大口受注先の業績・受注が順調であれば、どなたが経営者であったとしても問題は発生しません。

極端な話、経営者が不在であっても親会社からの売り上げがあがるため、人件費や経費を差し引いても利益は残るのです。
このような関係性では、親会社や大口受注先からの出向先にされ、経営者を受け入れている中小企業が多いのが現状です。

しかし、終息時期が見えないコロナ禍でその状況が変わってきました。
今まで盤石だと考えていた親会社の業績が先行き不透明となり、その皺寄せが下請けである中小企業にきているのです。

オーナー経営者であれば、親企業からの皺寄せがきても自力で新規大口受注先を獲得しようと率先して動き、全身全霊をかけて様々な策を実施されますので大きな問題になる前に挽回できる可能性が高いのです。
一方で、問題が大きくなる可能性が高いのが、親会社や大口受注先から出向してきた方が経営者となっている場合です。

第1話のコラム「オーナー社長と雇われ社長(=会社員)の違い」でもお話しさせていただきましたが、親会社や大口受注先から出向してきた方が経営者の場合は、一般社員と何ら変わらない「雇われ社長(=会社員)」だからです。

「何か一発逆転できるような解決策はありませんか?」という質問は、オーナー経営者であれば絶対に口にされないはずです。
良い悪い、ではなく、オーナー社長と雇われ社長の覚悟の違いが、この一言にあらわれていると言えるでしょう。

なぜ、日本には「下請け制度」が根強く残っているのでしょうか?
私見ですが、下請け制度の背景として下記5点があるのでは、と考えています。

①村八分: 明治維新以前の日本では、庶民の大半が農村で生活しており、村落という共同体に頼って暮らしていて、村八分というルールで集団への帰属意識を高めていた。

②家長制度: 「家制度」が廃止されるまでは、歴史的に父系の「家長制度」となっていて、家長の権利が非常に強く、家長に反発することも許されなかったため、服従の思想が根付いた。

③教育システム: 歴史的な「家長制度」に加え、戦後教育では「資本主義の担い手としての庶民」を育成するために画一的な教育システム(いい学校→いい大学→いい会社→生涯安泰)が構築・実践されてきた。

④社会システム: 敗戦後、「資本主義の成功モデル」を構築し、資本主義の浸透・発展とともに脅威の復興を遂げた。終身雇用制度などにより、会社=一家、社員=家族という関係性がシステムとして醸成された。

⑤現状維持バイアス:古き良き時代のままの思考回路から抜け出せず、さらに敗戦後の復興という成功体験もあるため、思考停止状態に陥り、このままでよいという現状維持バイアスから抜け出せない。

上記を加味して考えると「下請け制度」は非常に根深い問題であり、下請けである中小企業が自力で簡単に変えていくことは難しいのが現実です。

ただし、コロナ禍で一気に外部環境が激変し、現状維持が難しくなってきていることを、経営者としてしっかりと認識しておく必要があります。
今のコロナ禍と同じような外部環境の激変であったバブル崩壊後、日産自動車の「ゴーンショック」を筆頭に、それ以外の系列でも「下請け」の発注先・条件の見直しが頻発しました。

このコロナ禍で、バブル崩壊時と同じように「下請け」の発注先・条件の見直しがなされようとしています。
ご質問いただいた経営者の方の場合は、表面的には発注額の減少ですが、今後、「下請け」の発注先・条件の見直しがなされることが十分に想定されます。
経営者であれば、当然にその対応を準備しておかなければなりません。

ある日突然、下請けから外されることや、競合他社とのコンペで条件の見直しがなされることも考えられます。
その状況に直面した時に慌てるのではなく、事前に対応をして備えておかなければ、経営者としての責務を果たしているとは言えません。

経営者としては、「脱 下請」をスローガンに、これまでの親会社や大口受注先に代わる新規大口受注先の獲得に全力で取り組まなければなりません。

もし、今までも新規先開拓をしてきているのであれば、経営者として経営資源を重点的に投入することで強力に推進しましょう。
万が一、新規先開拓を全くしたことがない、ということであれば、経営者であるあなたが先頭に立って、新規大口受注先の獲得に全力で取り組んでください。

言い訳している暇はありません。
リーマンショックや東日本大震災などの影響が、あなたの会社にどの程度遅れて影響が出てきたかを振り返ってください。
どの程度遅れて影響が出たか、から逆算して、今回のコロナで影響が出るまでに新規大口受注先を獲得しなければならないのですから・・・

ビジネスの基本である5W1Hをベースに、想定される影響時期までにやるべきことを整理・実施しましょう。
緊急事態ですので、経営者であるあなたが陣頭指揮をとってください。

・Who(だれが):
 ・When(いつ):
 ・Where(どこで):
 ・What(なにを):
 ・Why(なぜ):
 ・How(どのように):

新型コロナウイルスによる社会と経済の歴史的な大転換となる「ニューノーマル」時代を乗り越えて、更なる発展をしていくために、「脱 下請」をスローガンにはじめてみませんか?

弊社では、「銀行のネットワークを最大限に活用する営業紹介の仕組みづくり」に特化しコンサルティングさせていただいています。

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