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今週のコラム 銀行が「この二代目は危ない」と判断する決定的理由

「いや~、最近銀行の対応が急に厳しくなってきまして…。先代の頃は問題なく融資してもらえていたのですが、最近は事業計画を細かく聞かれたり、資金繰りについても説明を求められるようになりました。このまま銀行との関係が悪くなってしまうのではないかと不安です。銀行から信頼される社長になるには、どうすればいいのでしょうか?」―これは、当社のセミナーに参加された二代目経営者から寄せられたご相談です。

確かに、二代目経営者の方からは、銀行との関係について同様の悩みをよく伺います。先代の時代には特に問題がなかったにもかかわらず、社長が交代した途端に銀行の対応が変わったように感じる、というケースは決して珍しくありません。

実は銀行は、社長が代わったときに必ず「この新しい社長は本当に会社を任せられる人物なのか?」という視点で会社を見直します。会社の決算書や業績だけでなく、社長の考え方や判断力、会社の将来についての説明力などを総合的に見て判断しているのです。

つまり銀行は、会社の数字以上に「社長そのもの」を見ているのです。

そのため、会社の業績が悪くなくても、銀行が社長に不安を感じれば、融資は慎重になります。逆に、まだ会社が小さくても、「この社長なら会社を成長させることができる」と銀行が判断すれば、積極的に支援してくれることもあります。

では銀行は、二代目社長のどこを見て「この社長は危ない」と判断するのでしょうか。
本コラムでは、銀行が警戒する二代目経営者の特徴と、その理由について解説します。

はじめに

あなたは、銀行から本当に信頼されている社長でしょうか。

多くの二代目経営者は、こう考えています。
「会社は黒字だから問題ない」
「先代の時代から銀行とは付き合いがある」
「銀行は会社の数字を見て判断している」

しかし、銀行の見方は少し違います。

銀行が見ているのは、決算書の数字だけではありません。
実際には、「この社長は会社を任せられる人物か?」という点を非常に厳しく見ています。

特に二代目経営者の場合、銀行は必ず心の中で次のように考えています。

この社長は本当に会社を経営できるのか。

なぜなら銀行は、会社の将来を長い目で見ているからです。
今期の利益だけではなく、5年後、10年後も会社が安定して返済できるかを判断しています。

そのため銀行は、社長の次のような点を見ています。
・経営の判断力
・会社の数字の理解度
・将来のビジョン
・社内の統率力
・銀行との向き合い方
これらが曖昧な場合、会社の業績が悪くなくても銀行は警戒します。

実際、私が銀行員として融資審査に携わっていたとき、 会社の数字よりも社長の姿勢を重視する場面は数多くありました。

どれほど会社の業績が良くても、 「この社長は危ない」と判断されれば、融資は慎重になります。

逆に、まだ会社が小さくても、 「この社長なら会社を成長させる」と思われれば、銀行は応援します。

つまり、銀行が見ているのは会社の過去ではなく、 社長が会社の未来をつくれる人物かどうかなのです。

もし銀行から警戒されてしまえば、資金調達は難しくなり、会社の成長スピードも大きく落ちてしまいます。

しかし安心してください。
銀行がどこを見ているのかを理解すれば、信頼関係は大きく変わります。

今回は、銀行が「この二代目は危ない」と判断してしまう理由について解説します。

もし一つでも当てはまるものがあれば、今日からすぐに改善してみてください。

それだけでも、銀行からの見られ方は確実に変わります。

1. 経営の軸がなく、判断がブレる社長

銀行が二代目経営者を見るとき、必ず確認している点があります。
それは「この社長は自分の意思で経営判断をしているのか」ということです。

会社の売上や利益だけでなく、銀行は社長の言動や意思決定の過程を注意深く見ています。
その中でも特に警戒されるのが、経営の軸がなく、判断がブレている社長です。

二代目経営者の場合、どうしても先代の影響が大きく残っています。
そのため、次のような状態に陥りやすいのです。
・先代のやり方を否定して急に改革を始める
・その場の思いつきで経営判断をする
・社内の意見に振り回される

このような状況を銀行が見れば、どう思うでしょうか。
「この社長は会社をコントロールできていない」
と判断されてしまいます。

銀行は会社にお金を貸しています。
つまり銀行は、社長の判断に会社の未来を預けているのです。

その判断が安定していない社長に対して、銀行が慎重になるのは当然のことです。
銀行が最も警戒するのは「経営の軸がない社長」です。
ここでは、銀行が特に注意して見ている三つのポイントを解説します。

1.1 先代の経営を理解しないまま改革を始める

二代目経営者が最もやりがちな失敗があります。
それは、会社を継いだ瞬間に「改革」を始めてしまうことです。

多くの二代目社長は、会社を継ぐと次のように考えます。
「この会社は古い」
「やり方を変えなければ成長できない」
「自分の色を出さなければならない」

この気持ちは理解できます。
しかし銀行は、このような行動を非常に冷静に見ています。

銀行が見ているのは、次の一点です。
「この社長は会社の本質を理解しているのか」

長年続いてきた会社には、必ず理由があります。
・なぜこの事業を続けているのか
・なぜこの取引先と長く付き合っているのか
・なぜこの価格で仕事をしているのか

こうした背景を理解しないまま改革を始めてしまうと、会社の強みまで壊してしまう可能性があります。

実際、二代目経営者の失敗例には共通点があります。
「先代の経営を否定することから始めてしまう」のです。

しかし、経営には順序があります。
まずは先代の経営を理解する。
そのうえで改善すべき点を見つける。
そして最後に自分の経営スタイルをつくる。

この順序を踏まずにいきなり改革を始める社長を、銀行はこう見ています。
「この社長は経営を理解していない」
先代の経営を理解せずに改革を始める社長は、銀行から最も警戒される二代目です。

まずは会社の歴史を理解することから始めてください。

1.2 経営判断の基準が曖昧

銀行が社長と面談するとき、必ず確認することがあります。
それは「なぜその判断をしたのか」という理由です。

例えば銀行は次のような質問をします。
・なぜこの事業を始めたのですか
・なぜ設備投資をするのですか
・なぜ売上を伸ばすために値引きをしたのですか

このとき、社長の答えが曖昧だと銀行は非常に不安になります。
「なんとなくやった」
「社員がやりたいと言った」
「流行っているから」

このような説明では、銀行は納得しません。
なぜなら銀行は、会社に長期のお金を貸しているからです。
銀行が知りたいのは、その判断の根拠です。

例えば次のように説明できる社長は信頼されます。
・市場の成長性を分析した
・既存顧客からニーズがあった
・利益率が高い事業だから投資した
このように判断の理由を論理的に説明できる社長は、銀行から高く評価されます。

逆に、判断の基準が曖昧な社長は次のように見られてしまいます。
「この社長は感覚で経営している」
感覚で経営している会社は、環境が変わるとすぐに経営が崩れます。

銀行はそのリスクをよく知っています。
銀行が信頼するのは「判断の理由を説明できる社長」です。

あなたの会社の経営判断には、明確な基準がありますか。
もし説明できない判断が多いのであれば、今すぐ見直す必要があります。

1.3 社内の意見に振り回される

二代目経営者の会社でよく見られる問題があります。
それは社長の意思決定が社内の意見に左右されてしまうことです。

会社にはさまざまな立場の人がいます。
・先代の時代から働いているベテラン社員
・長年会社を支えてきた幹部
・親族

このような人たちの影響力が強い会社では、社長の判断が曖昧になりやすいのです。

例えば次のようなケースがあります。
・ある社員は新規事業をやりたいと言う。
・別の社員は今の事業に集中すべきだと言う。
・その結果、社長は決断できず、話が進まない。

銀行はこうした状況を敏感に感じ取ります。
そして次のように考えます。
「この会社は社長が経営していない」

銀行が最も不安に思うのは、会社の意思決定が誰によって行われているのか分からないことです。

経営者の役割は、最終的な判断を下すことです。

社員の意見を聞くことは大切です。
しかし、最後に決断するのは社長です。

社長が決断しない会社は、方向性を失います。
銀行はそのリスクを非常に強く意識しています。
銀行が信頼するのは「最後は自分で決める社長」です。

社長が決断するからこそ、会社は前に進みます。
社員の意見を尊重しながらも、最終的な判断は必ず自分で下す。
その姿勢こそが、銀行から信頼される二代目経営者の姿なのです。

二代目としての経営に関するお悩みに結コンサルティングの専門家がお応えします!お気軽にご相談ください。

2. 会社の数字を理解していない社長

銀行が社長を見るとき、必ず確認している点があります。
それは「この社長は会社の数字を理解しているのか」ということです。

中小企業では、経理や税務は税理士に任せているケースが多いため、社長が数字を細かく見ていないことも珍しくありません。
しかし銀行の立場から見ると、それは非常に不安な状況です。

なぜなら、銀行は会社にお金を貸す際に、必ず次のように考えているからです。
・この会社は将来も返済できるのか
・この社長は会社の状況を正しく把握しているのか
・経営判断は数字に基づいているのか

もし社長が会社の数字を理解していないと、銀行はこう考えます。
「この会社は数字で経営されていない」
そして銀行の警戒は一気に強くなります。

実際、銀行員が社長と面談していて不安を感じる瞬間があります。それは社長が数字について質問されたときに、答えられない場面です。

銀行は「社長が会社の数字を理解しているか」を非常に厳しく見ています。

ここでは、銀行が特に注意して見ている三つのポイントを解説します。

2.1 決算書を説明できない

銀行が社長と面談するとき、必ず確認する資料があります。
それが決算書です。

しかし、決算書について質問すると、次のような反応をする社長が少なくありません。
「詳しいことは税理士に聞いてください」
「経理が管理しているので分かりません」
「決算書は見ていますが、細かいところは把握していません」

銀行はこの瞬間に不安を感じます。

決算書は、会社の健康状態を示す最も重要な資料です。
それを社長が説明できないとなると、銀行はこう思います。
「この社長は会社の状態を理解していない」

銀行が社長に聞く質問は、決して難しいものではありません。

例えば次のような内容です。
・売上が前年より増えた理由
・利益が減少した原因
・借入が増えた背景
・設備投資の目的

これらは、会社を経営していれば当然説明できるはずの内容です。
ところが、実際には説明できない社長が少なくありません。

決算書は税理士のものではなく、社長のものです。
税理士は決算書を作成する専門家ですが、その内容を理解し、経営に活かすのは社長の役割です。

もし決算書の内容を説明できないのであれば、まずは次の三つを確認してください。
・売上
・営業利益
・借入残高
この三つだけでも、毎月把握する習慣を作ることです。

決算書を説明できない社長は、銀行から信頼されません。

まずは自社の決算書を理解することから始めてください。

2.2 資金繰りを把握していない

会社経営において、最も重要なものは何でしょうか。

 ・売上でしょうか?
 ・利益でしょうか?

どちらも大切ですが、会社を続けるために最も重要なのは資金繰りです。
どれだけ利益が出ていても、手元にお金がなければ会社は倒産します。

銀行はそのことをよく理解しています。
だからこそ銀行は必ず確認します。

「社長は資金繰りを把握しているのか」

ところが、社長に次のような質問をすると、答えられないケースがあります。
・来月の資金繰りはどうなりますか
・借入の返済額はいくらですか
・手元資金は何か月分ありますか

これらの質問に答えられないと、銀行は非常に不安になります。
なぜなら、資金繰りを把握していない会社は、突然資金不足になる可能性があるからです。

銀行から見れば、資金繰りを把握していない社長は次のように見えます。
「会社のお金の流れを管理していない社長」
これは銀行にとって大きなリスクです。

資金繰りを把握するためには、難しいことをする必要はありません。
まずは次の三つを確認してください。
・毎月の入金
・毎月の支払い
・借入返済額
この三つを整理するだけでも、資金繰りの状況は見えてきます。

資金繰りを把握していない社長は、銀行から最も警戒されます。
会社を守るためにも、資金繰りの管理は社長自身が行うことが重要です。

2.3 利益の構造を理解していない

売上が伸びている会社でも、利益が出ていないケースがあります。
その原因の多くは、利益の構造を理解していないことです。

例えば次のような会社があります。
・売上は順調に増えている。
・しかし、利益はほとんど残らない。

このような会社の社長に話を聞くと、次のようなことが分かります。
・どの商品が利益を生んでいるか分からない
・どの取引が利益を圧迫しているか分からない
・値引きの影響を把握していない

つまり、会社の利益がどこで生まれ、どこで消えているのかが見えていないのです。
銀行はここも非常に注意して見ています。
銀行が知りたいのは、会社の利益を生み出す仕組みです。

もし社長が次の質問に答えられなければ、銀行は不安を感じます。
・一番利益が出ている事業は何ですか
・利益率の高い商品は何ですか
・利益を圧迫している取引は何ですか

これらを理解していない会社は、売上が増えても利益が残りません。
売上だけを追う経営は非常に危険です。
銀行はそのことをよく知っています。

銀行が信頼するのは「利益の仕組みを理解している社長」です。

そのためには、まず次の三つを確認してください。
・利益率の高い商品
・利益率の低い取引
・値引きの影響

これらを把握するだけでも、経営の見え方は大きく変わります。
社長が利益の構造を理解した瞬間から、会社の経営は大きく変わり始めます。

3. 会社の将来を語れない社長

銀行が社長と面談するとき、必ず確認していることがあります。
それは「この会社はこれからどう成長していくのか」という点です。

多くの経営者は、銀行が見ているのは決算書だと思っています。
もちろん決算書は重要です。しかし銀行はそれだけで判断しているわけではありません。

銀行が本当に知りたいのは、「この会社はこれからも続いていくのか」ということです。

銀行は会社にお金を貸すと、何年にもわたって返済を受けることになります。
つまり銀行は、会社の「未来」に対してお金を貸しているのです。

だからこそ銀行は、社長に必ず次のような質問をします。
・今後どのように売上を伸ばすのか
・どの事業を強化するのか
・会社はどこを目指しているのか

このとき社長が答えられないと、銀行は不安を感じます。
「この会社はどこへ向かっているのだろうか」
銀行が警戒する社長の典型が、会社の将来を語れない社長です。

会社の未来が見えない企業に対して、銀行は積極的に融資をすることはできません。
銀行が最も不安に思うのは「会社の将来が見えないこと」です。

ここでは、銀行が特に注意して見ている三つのポイントについて解説します。

3.1 経営計画がない

銀行が社長に質問するとき、必ず確認することがあります。
それは「経営計画があるかどうか」です。

ところが実際には、次のような会社が少なくありません。
「経営計画は作っていない」
「数字はなんとなく考えている」
「売上は前年より伸ばしたい」
このような状態では、銀行は安心できません。

なぜなら銀行は、会社がどのように成長していくのかを知りたいからです。

例えば銀行は次のようなことを知りたいと考えています。
・売上はどのように増やすのか
・どの事業を強化するのか
・どのタイミングで投資をするのか
これらを整理したものが経営計画です。

しかし中小企業では、経営計画が存在しない会社も多くあります。

その理由はさまざまです。
・忙しくて作る時間がない
・作っても意味がないと思っている
・計画どおりにいかない

確かに、経営は計画どおりに進まないこともあります。
しかし、計画がない会社はもっと危険です。

計画がない会社は、すべてが場当たりになります。
銀行はそこを非常に注意して見ています。

もし経営計画がないのであれば、まずは次の三つを書き出してみてください。
・3年後の売上目標
・強化する事業
・必要な投資
これだけでも、会社の方向性は明確になります。

経営計画がない会社は、銀行から将来性を疑われます。
会社の未来を示すためにも、経営計画を作ることは非常に重要です。

3.2 将来のビジョンが曖昧

銀行が社長に対して必ず確認する質問があります。
それは「この会社はどこを目指しているのか」というものです。
ところが、この質問に答えられない社長も少なくありません。

例えば次のような答えです。
「とりあえず売上を伸ばしたい」
「会社を安定させたい」
「今の事業を続けたい」

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
しかし銀行からすると、これでは会社の未来が見えません。

銀行が知りたいのは、もっと具体的な方向です。
・どの市場で勝つのか
・どんな強みを活かすのか
・会社はどんな存在になるのか
これらが整理されている会社は、銀行から高く評価されます。

ビジョンとは、会社の未来の姿を言葉にしたものです。
それがある会社は、社員も同じ方向を向いて仕事をすることができます。

逆にビジョンが曖昧な会社では、次のような問題が起こります。
・社員の方向性がバラバラになる
・経営判断が場当たりになる
・投資判断が迷う

銀行はこうした会社を見て、次のように感じます。
「この会社はどこへ向かうのだろうか」
銀行が信頼するのは「会社の未来を語れる社長」です。

会社のビジョンを、ぜひ言葉にしてみてください。
それだけでも、銀行からの見え方は大きく変わります。

3.3 経営戦略が場当たり的

会社の未来を語れない社長の特徴として、もう一つあります。
それは経営戦略が場当たり的であることです。

例えば次のような判断です。
・他社が始めたから新規事業をやる
・売上が落ちたから値引きをする
・営業担当が言うから設備投資をする

このような判断は、長期的な視点ではありません。
その場の状況に合わせた対応です。

もちろん、経営には柔軟さも必要です。
しかし、すべてが場当たりになると会社は不安定になります。
銀行はここも非常に注意して見ています。

銀行が確認するのは、次のような点です。
・なぜその事業を始めるのか
・なぜその投資をするのか
・その判断は会社の戦略と一致しているのか

もしその理由が説明できないと、銀行はこう考えます。
「この会社は長期的な戦略がない」

長期的な戦略がない会社は、環境が変わるとすぐに経営が揺らぎます。
銀行はそのリスクを非常に警戒しています。

経営戦略とは、会社の進む方向を決めるものです。

例えば次のような方針です。
・高付加価値の商品で利益率を高める
・特定の市場に集中する
・既存顧客の深耕営業を強化する

このような戦略がある会社は、判断がブレません。
銀行が評価するのは「戦略に基づいて判断する社長」です。
あなたの会社の経営判断は、戦略に基づいていますか。

もしその場の判断が多いのであれば、一度会社の戦略を整理してみてください。
それだけでも、会社の未来は大きく変わります。

4. 社長が会社をコントロールできていない

銀行が会社を評価するとき、決算書や資金繰りだけを見ているわけではありません。
銀行は会社の中で実際に誰が経営をしているのかという点も非常に注意して見ています。

特に二代目経営者の会社では、銀行が不安を感じる場面があります。それは、社長が会社をコントロールできていないと感じるときです。

例えば、次のような状況です。
・社長の指示が社内で徹底されていない
・ベテラン社員の意見が経営判断に強く影響している
・重要な判断がなかなか決まらない

こうした状態を銀行が見ると、次のように考えます。
「この会社は社長が経営していないのではないか」

銀行にとって最も重要なのは、会社の最終的な意思決定者が誰なのかということです。
会社の方向を決める人物がはっきりしていなければ、経営の安定性は大きく下がります。

銀行が最も不安に感じるのは「社長が会社をコントロールできていない会社」です。

ここでは、銀行が特に注意して見ている三つのポイントについて解説します。

4.1 社内の統制が取れていない

二代目経営者の会社では、社内の統制が弱くなっているケースがあります。

例えば次のような状況です。
・社長が方針を出しても現場が動かない。
・部門ごとに違う判断をしている。
・社員によって会社の方向の理解がバラバラ。
このような会社では、社長の指示が組織として機能していません。

銀行は会社を訪問した際、社内の雰囲気や社員の発言から、この状態を敏感に感じ取ります。

例えば銀行が社員に話を聞いたとき、次のような言葉が出てくることがあります。
「社長はそう言っていますが、実際は現場の判断です」
「会社の方針はまだ決まっていません」

このような発言が出ると、銀行はこう感じます。
「この会社は組織としてまとまっていない」

組織がまとまっていない会社は、経営環境が変化したときに対応が遅れます。
銀行はそのリスクを非常に強く意識しています。

社内の統制を整えるためには、まず次の三つを整理することが重要です。
・会社の方針
・社長の判断基準
・社員の役割

これらが明確になるだけでも、組織は大きく変わります。
社長の方針が社員に伝わらない会社は、銀行から組織力を疑われます。
社長の言葉が会社の方向を決める状態を作ることが重要です。

4.2 ベテラン社員に経営が支配されている

二代目経営者の会社でよく見られる問題があります。
それはベテラン社員の影響力が強すぎることです。

長年会社を支えてきた社員は、会社の仕事や顧客について深い知識を持っています。
その経験は非常に重要です。

しかし、その影響力が強すぎると、社長の意思決定が弱くなることがあります。

例えば次のような状況です。
・新しい取り組みを社長が提案する。
・しかしベテラン社員が反対する。
・その結果、社長が判断を変える。

このようなことが繰り返されると、社員は次第にこう感じます。
「最終的な判断はベテラン社員が握っている」

銀行はこうした会社を非常に注意して見ています。
銀行が不安に感じるのは、経営の責任が誰にあるのか分からないことです。

会社の最終的な判断をするのは社長です。
社員の意見を聞くことは重要ですが、最終的な方向を決めるのは社長の役割です。

もし社長の判断がベテラン社員に左右されていると、銀行はこう思います。
「この社長は会社を動かせない」
これは銀行にとって非常に大きな不安要素です。

銀行が信頼するのは「最終判断を自分で下す社長」です。

社員の経験を尊重しながらも、会社の方向は社長が決める。この姿勢が必要です。

4.3 社長の意思決定が遅い

社長に求められる重要な役割の一つが意思決定です。

会社経営では、毎日のように判断が求められます。
・投資をするかどうか
・新しい事業を始めるかどうか
・取引条件を変えるかどうか

こうした判断を迅速に行うことが、会社の成長には欠かせません。
しかし実際には、判断がなかなか決まらない社長もいます。

例えば次のような状況です。
・社員から提案が出る。
・しかし社長が結論を出さない。
・話し合いが何度も続く。

その結果、次のような問題が起こります。
・社員が動けない
・ビジネスチャンスを逃す
・会社の方向が定まらない

銀行はこうした状況も注意して見ています。
銀行からすると、意思決定が遅い会社は非常にリスクが高いのです。

市場環境は常に変化しています。
判断が遅い会社は、その変化に対応できません。

銀行はその点をよく理解しています。
会社を前に進めるのは社長の決断です。

もちろん、慎重な検討は必要です。
しかし、判断を先延ばしにしてはいけません。

銀行が評価するのは「責任を持って決断できる社長」です。

完璧な判断をする必要はありません。
重要なのは、会社の方向を決めることです。

社長が決断することで、社員は動き始めます。
そして会社は前に進みます。

それこそが、銀行から信頼される経営者の姿なのです。

5. 銀行との関係を軽く考えている

銀行が社長を評価するとき、会社の数字や経営計画だけを見ているわけではありません。
銀行は社長が銀行とどのように向き合っているのかという姿勢も非常に重要視しています。

ところが実際には、銀行との関係を軽く考えてしまっている社長も少なくありません。

例えば次のような考え方です。
・銀行には必要なときだけ相談すればよい
・業績が悪いときは銀行に話さないほうがよい
・銀行はお金を借りるための場所

こうした考え方は、銀行からの信頼を大きく損なう原因になります。

銀行は、会社に長期の資金を貸しています。
つまり銀行は、会社の未来に対してお金を貸しているのです。
そのため銀行は、社長の姿勢を非常に注意して見ています。

銀行は「この社長は銀行と誠実に向き合っているか」を常に見ています。

ここでは、銀行が警戒する三つの典型的な行動について解説します。

5.1 銀行に相談しない

銀行が最も困る社長の行動の一つが、銀行に相談をしないことです。

例えば次のようなケースがあります。
・会社の売上が落ちている。
・資金繰りが厳しくなってきている。
・しかし社長は銀行に相談しない。

そして資金が足りなくなってから、突然銀行に相談に行く。

銀行からすると、これは非常に困る状況です。

銀行は資金の手当てをする際、事前の準備が必要です。
会社の状況を確認し、必要な資料を集め、社内で審査を行います。

そのため、突然の相談では対応が難しくなることがあります。
銀行が望んでいるのは、早い段階での相談です。

例えば次のような相談です。
・設備投資を検討している
・新規事業を始める予定がある
・資金繰りが少し厳しくなってきた
このような相談が早めにあれば、銀行は一緒に対策を考えることができます。

銀行は社長からの相談を歓迎しています。
しかし相談がない会社は、銀行からすると状況が見えません。

「この会社は何を考えているのだろうか」
銀行はそう感じてしまいます。
銀行に相談しない社長は、銀行との信頼関係を自ら弱くしています。

銀行は敵ではありません。
会社の成長を支える重要なパートナーです。

ぜひ日頃から銀行と情報を共有するようにしてください。

5.2 悪い情報を隠す

銀行との関係で、絶対に避けなければならない行動があります。

それは悪い情報を隠すことです。

例えば次のような状況です。
・売上が大きく落ちた
・取引先が倒産した
・資金繰りが厳しくなっている

こうした状況になると、社長は銀行に言いにくくなることがあります。
「銀行に知られたら融資が受けられなくなるのではないか」
そう考えてしまうのも無理はありません。

しかし銀行の立場からすると、情報を隠されることが最も困るのです。
銀行は会社の状況を正しく理解して、対策を考えたいと思っています。
ところが重要な情報が共有されないと、銀行は状況を把握できません。

そして後から問題が発覚したとき、銀行は次のように感じます。
「この社長は誠実ではない」

銀行は業績の悪化そのものを問題にするわけではありません。
問題なのは、情報を隠す姿勢です。

業績が悪化することは、どの会社にも起こり得ます。
銀行もそのことは理解しています。

しかし、情報を隠されると信頼関係は大きく崩れます。
銀行との関係は信頼で成り立っています。
銀行は「悪い情報を隠す社長」を最も警戒します。

問題が起きたときこそ、銀行に相談することが大切です。
早く共有することで、銀行も一緒に解決策を考えることができます。

5.3 銀行を「お金を借りる場所」としか見ていない

銀行との関係で、もう一つ注意しなければならない考え方があります。
それは銀行を単なる資金調達の場所として見てしまうことです。

確かに銀行の役割は、会社にお金を貸すことです。
しかし銀行はそれだけの存在ではありません。

銀行は多くの企業と取引をしています。
その中で、さまざまな経営情報を持っています。

例えば次のような情報です。
・業界の動向
・他社の成功事例
・取引先の紹介
銀行はこうした情報を活かして、企業を支援することもできます。

しかし銀行を単なる融資の窓口としか見ていない社長は、こうした関係を築くことができません。

銀行から見ると、そのような会社は次のように映ります。
「必要なときだけ銀行を利用する会社」

銀行も人間です。
信頼関係のある会社を応援したいと思うのは当然です。

日頃から銀行と情報交換をしている会社と、融資のときだけ連絡してくる会社では、銀行の印象は大きく違います。

銀行との関係は日頃の積み重ねです。
定期的に会社の状況を報告し、将来の計画を共有する。
それだけでも銀行との関係は大きく変わります。

銀行をパートナーとして向き合う社長は、銀行から強く信頼されます。

銀行との関係を大切にすることは、会社の資金調達力を高めることにもつながります。
ぜひ銀行との関係を見直してみてください。

まとめ

ここまで、銀行が「この二代目は危ない」と判断する社長の特徴について解説してきました。

改めて整理すると、銀行が警戒する二代目経営者には次のような共通点があります。
・経営の軸がなく判断がブレている
・会社の数字を理解していない
・会社の将来を語れない
・社長が会社をコントロールできていない
・銀行との関係を軽く考えている

これらはどれも、特別な経営テクニックではありません。 経営者として当然求められる基本的な姿勢です。

銀行は会社の決算書だけを見ているわけではありません。
銀行が本当に見ているのは、「この社長に会社の未来を任せても大丈夫か」という点です。

そして銀行は、社長の言葉や行動から、その判断をしています。
銀行が評価するのは「経営を理解し、会社の未来を自分の言葉で語れる社長」です。

もし今回の内容の中で、思い当たることがあったとしても心配する必要はありません。
重要なのは、気づいた瞬間から行動を変えることです。

例えば、次のことから始めてみてください。
・自社の決算書を自分の言葉で説明できるようにする
・資金繰りの状況を毎月確認する
・会社の将来について考え、言葉にする
・経営判断の基準を整理する
・銀行と定期的に情報交換をする
どれも今日からできることです。

社長の行動が変われば、銀行からの見え方も確実に変わります。
会社の未来を決めるのは銀行ではありません。社長の姿勢です。

ぜひ今回の内容をきっかけに、自社の経営を見直してみてください。
その一歩が、銀行から信頼される経営者への第一歩になります。

あなたは二代目の最高経営責任者として、どのように銀行との信頼関係を構築していくおつもりでしょうか?