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今週のコラム 第67話:経営者はグリーンの芝目を読むより経営環境を読むべし!

「髙窪先生。繁華街には人流が戻ってきていて、ニューノーマル下での活動が活発になってきたようなのですが、現状から今後の経営環境がどう変化していくのか?そして、それに対して、どのように対応してゆけば良いのかがさっぱりわかりません。何を見て、どう判断してゆけばよろしいのでしょうか?」──とある金属加工業のA社長からのご相談です。

「A社長は、ゴルフがお好きでしたよね。確か、80台前半で回られると伺っていますが・・・」とご質問させていただきました。

「はい。あまり飛ばせませんが、パターが好きでして、スコア的には80前半ですね(笑)」とのこと。

「パターがお好きならば、芝目などを読むのがお得意なんですね。私はさっぱり芝目が読めずに、所謂、素人ラインに外してしまいます(汗)。芝目を読むコツを教えていただけませんでしょうか?」とさらに質問させていただきます。

「え・・・芝目ですか。。。」と、私が相談していることと全く違うんだけど、私のことはどうなった・・・というお顔をされながらも、渋々・・・

「まず、芝がベントか高麗かを確認してください。」
「ベントは葉先が柔らかく細いのが特徴で、芝目の影響を受けることがあまりなく、傾斜が読めたら思い通りの転がりをしてくれます。」
「高麗は葉が広くて固く強いという特徴があります。抵抗が強いので、下りの傾斜でも芝目に沿って登ると言われるくらい転がりに影響を与えます。」

「次に、順目か逆目かを確認してください。」
「順目とは、葉先がカップの方を向いていることです。球は転がりやすくなります。下りの場合は特にボールの転がりが良くなり、カップを外れた場合には、打った距離より長くなる場合があります。白く見える場所は順目です。太陽の光が葉に反射しているので白く反射して見えます。」
「逆目はホールの逆を向いていることです。抵抗が強くて球の転がりが悪いので、強めに打たなければいけなくなりません。濃い緑色に見えるところは逆目になります。光を吸収しているので濃く見えます。」
「カップの縁を確認することも重要です。」
「縁の葉先を見るとどちらを向いているのかを確認することができます。プロも試合では確認していますので、我々も真似をすることでカップインの確率を上げることができます。」

「あとは、最後にグリーンの傾斜を確認してください。」
「まず、ボールとカップを結んだ線の後ろ側に立ち、グリーンの右側のエリアと左側のエリアのどちらが低くてどちらが高いかを確認します。」
「右が高くて左が低い場合=フックライン」
「左が高くて右が低い場合=スライスライン」

「このように後ろから見ることで、横の傾斜がわかります。」
「その次に、カップとボールを結んだ線の低い側に移動しましょう。フックなら左側、スライスなら右側です。」
「ボールとカップのどちらが高いかを確認してください。」
「これで登りなのか、下りなのかパットに必要な縦の傾斜もわかります。」
「あとは簡単です。次のように、パターン別に打ち分ければいいのです。」
「スライスラインで登り:通常より左に、少し強く打つ」
「スライスラインで下り:通常より左に、少し弱く打つ」
「フックラインで登り:通常より右に、少し強く打つ」
「フックラインで下り:通常より右に、少し弱く打つ」

「細かいことを言うとキリがありませんが、これぐらいを押さえておけばパットで困ることはないと思います。」
と、とても参考になるアドバイスをいただき、最後に「ところで、私の相談はどうなのでしょうか?」と・・・

「はい。もう既にA社長が、ご自身で模範回答をしていただきました(笑)」とお答えすると。

「え・・・私が・・・」

「では、簡単にご説明させていただきます。」
「ゴルフは18ホールですが、各ホールを四半期決算だと思ってください。」
「A社長の今四半期決算の目標が1番ホール(367ヤード、パー4)のカップとします。」
「ハザード等(経営上の障害等)あるものの、難なく2オン(目標比で進捗率はオンライン)。」

「芝はベントで影響は少ない。」
「ベントは『影響を受けにくい産業構造の業種』、高麗は『影響を受けやすい産業構造の業種』をイメージしてください。」

「カップに向かっては、逆目。」
「順目は『経営されている業界の好景気』、逆目は『経営されている業界の不景気』をイメージしてください。」

「グリーンで芝目を読むと、『スライスラインで下り』、しかも高低差が大きい(汗)。」
「横の傾斜が『感染症などの限定的な影響』、縦の傾斜が『日本・世界の景気などの全体的な影響』とイメージしてください。」

私がこれまでご縁のあった経営者の方々は、2オンまでは歯を食いしばって何とかされています。
違いがでるのが、グリーンに乗ってからです。

現時点で、「感染症などの限定的な影響」「景気などの全体的な影響」が、それぞれどの程度なのかを経営者としてご判断されるのですが、判断されたものよりもスライスライン(感染症などの限定的な影響)が強かったとか、高低差(日本・世界の景気などの全体的な影響)が思っていたほどなかったりして、なかなかカップインしません。

「3パッドなら、まだ挽回可能ですが、4パッド、5パッドとなると・・・」
「5パッドなんかする訳がない(怒)」とお怒りになる経営者の方もいらっしゃるかも知れません。
「確かに、ゴルフでは5パッドはないでしょうが・・・」
「残念ながら、経営環境となると、5パッドは特に珍しいことではありません。」

「非常事態宣言や、まん延防止等重点措置の影響が、これほど長引くことをどれだけの経営者が想像していたでしょうか?」
「過去の感染症では3年程度かかるとの経験則もありますので、それを前提に経営判断されていた経営者であれば、2パッドであがれますがそうでないと・・・」

ここまでご説明させていただくと、A社長から「よくわかりました。私がグリーンの芝目を読むように、経営環境を読めばいいのですね。」と笑顔でコメントをいただきました。

「はい。パッドと同じで、グリーン(経営環境)の情報はあればあるだけいいと思います。アンテナを高くしていただき、いろいろな情報を集めてみてください。」とアドバイスさせていただきました。

あなたは経営者として、どのようにグリーン(経営環境)を読みますか?
「まず、芝がベントか高麗かを確認してください。」
「ベントは『影響を受けにくい産業構造の業種』、高麗は『影響を受けやすい産業構造の業種』をイメージしてください。」

「次に、順目か逆目かを確認してください。」
「順目は『経営されている業界の好景気』、逆目は『経営されている業界の不景気』をイメージしてください。」
「あとは、最後にグリーンの傾斜を確認してください。」
「横の傾斜が『感染症などの限定的な影響』、縦の傾斜が『日本・世界の景気などの全体的な影響』とイメージしてください。」

是非とも、ゴルフのラウンドだけでなく、経営環境(グリーン)を読み切り、ナイスパッドを決めてください!