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今週のコラム 中小企業の社内コミュニケーション構築に神輿を活用せよ!

「在宅ワークなどニューノーマル対応で、社内のコミュニケーションが薄れてきており、以前のように従業員が家族のように一丸となった組織に戻したいのですが、何かいいヒントはありませんでしょうか?」──とある精密機械経営者の方からのご相談です。

第1回目の緊急事態宣言が2020年4月7日〜2020年5月25日でしたので、もう2年以上経過しています。また、政府から「在宅ワーク7割」という対応要請もあり、大企業だけでなく中小企業でも在宅ワークへのシフトが当たり前になりました。

第4回目の緊急事態宣言が終了した後も、まん延防止等重点措置、リバウンド警戒期間と継続して、5月22日まで諸々の対応要請が延長されています。このため、ニューノーマル対応が常態化しており、企業規模に関わらず「社内コミュニケーションの希薄化」が懸念されています。

また、大企業と中小企業では状況が異なり、大企業では「部門間」「部署内のメンバー間」でのコミュニケーションに支障が出ていますが、中小企業では「経営層と社員間」で支障が出ています。

このため、今回ご相談いただいた経営者の方のように、中小企業の経営者の方が、自社の「社内コミュニケーションの希薄化」を懸念されていることが多いように思います。

私からは、「本社のある地域の『神輿』に社員の方々と参加されてはいかがですか?」
「もちろん、このようなご時世ですので、今すぐに神輿が復活するかどうかわかりません
(5月21日・22日に浅草神社の三社祭で、新型コロナウイルス禍で中止されていた本社神輿みこしの担ぎ出しや子ども神輿巡行が3年ぶりに一部復活予定)。」
「でも、自社の環境整備の一環として、地域社会と交流することで、災害などが発生した際のセーフティネットにもなるのではないでしょうか?」とお伝えしました。

「地域社会と交流する」なんていうと、もうそんな時代じゃない!と馬鹿にする方が多いのですが、このように混沌として不安定な時代だからこそ、自社の地域社会の活動に参加することで、地域の方々とコミュニケーションをとることは有意義だと思います。

社内交流イベントだと社内の人間関係だけなので、仕事の延長に感じる従業員の方もいますが、「神輿」というイベントで社外の地域の方々との人間関係をつくるので新鮮味もあります。

実際にやられるとわかりますが、地域社会では独特のルールがあり、町内会長や氏子総代などの世話役の方々がいます。経営者であるあなたは、そのような方々とコミュニケーションをきちんととることで、従業員の方々やその家族も含めて、地域社会に溶け込むことができるようになります。

ニューノーマル前の話にはなりますが、地域大規模開発で商業施設を含むタワーマンションの建設があった際には、スーパーゼネコンなどがこぞって自治会・神輿などの行事に参加し、うまく地域社会・住民との共存・共栄を図っていました。

また、地域金融機関であるS信金などは、自治会・神輿などの行事には、全従業員+家族で当たり前のように参加、完全に地域社会・住民に溶け込んでいました。

個人的な意見ですが、「お祭り」、「お神輿」、「祭囃子」という言葉を聞くと、「血湧き肉躍る」ような感じになります。経営者の皆さんは如何でしょうか?

【「神輿」について】
神社には氏子地域、というものがあり、一つ一つの神社がお護りする範囲が決まっています。そこに住んでいる人達を「氏子」といい、それに対して神様を「氏神様」といいます。

お祭りの日、元々は一年に一度氏子達が自身の氏神様を神輿に乗せて担ぎ上げ、地域に力を振り撒き、また氏子達が力を合わせ、思いを寄せることで神様の力を充電するといった意味があります。

「神は人の敬(うやまひ)に依(よ)りて威(い)を増(ま)し
人は神の徳(とく)に依(よ)りて運(うん)を添(そ)ふ」
これは、鎌倉時代に作られた御成敗式目の一文です。

人がたくさんの思いを寄せることで力が強くなり、明日からまたより一層の力で見守ってくださる、といった内容です。ここに日本古来の神様と人間の関係があるのです。

経営者の皆さんなら、氏子=従業員、氏神様=経営者であるあなた、に置き換えてみてはいかがでしょうか?

会社経営なので年中無休ですが、従業員達が自身の経営者を会社という神輿に乗せて担ぎ上げ、会社運営に力を振り撒き、また従業員達が力を合わせ、思いを寄せることで経営者の力を充電するといった意味にも私はとれると考えていますし、それができる会社が強い会社だと思います。

神輿を担ぐ時には様々なローカルルールがあるので、初めは緊張するかもしれませんが、周りの方々が支えてくれることで、最高に楽しい1日になるはずです。

民間調査会社の調査によると、「社内コミュニケーションの希薄化」に対して実施している施策は「従業員アンケート」という現状把握に関するものが多くなっており、「新たに実施したい施策」については「ない」と答えた企業が4割にも上っているとのこと。

問題があることはわかっていて、何らかの施策を打ちたいものの、有効な対策を講じられていないというのが現状なのです。

ニューノーマル以前の社内コミュニケーション強化施策としては、社員旅行や懇親会といった社内イベントがありましたが、これらの開催も難しくなりました。延期や中止にした企業がほとんどです。

その代替として、オンライン旅行、オンラインチームビルディング、グランピングなどが社内交流イベントとして開催されていますので、これらの活用も検討してみる価値はあると思います。

「神輿は一人じゃ上がらない。会社は一人じゃ回せない。」
神輿を担ぐために、たくさんの人々がそこに関わり、力を合わせて1日を作り上げて行きます。

まさに、会社経営と同じです。人と人とのつながりがあれば、一見不可能だと思えるような事も必ず現実にする事が出来るのです。

一年に一度、共に神輿を担ぎ、何百年も続いて来た伝統は、各地でその土地の人々の情熱が紡いできたものです。たくさんの人々が大切に守ってきてくれたものを大切にして、また次の世代へつないでいきたいと全ての氏子が思っています。
(なお、神輿の写真は、2016年に開催された「宮神輿」のときのものです。)

先祖代々、肩から肩へ繋がれてきた神輿を、あなたも担いでみませんか?
今後の会社経営の役に立つことは、間違いないと思います(ワッショイ!)