今週のコラム 経営者が実践すべき下請け脱却に必須の仕組み構築法
結論からお伝えすると、下請けからの脱却はできます。ネット上や他の記事では下請けからの脱却は現実的でないという内容がありますが、それは全くの誤解です。
「下請けから脱却しようとしても新規取引先が獲得できない」
「大口取引先に睨まれて下請け脱却に失敗した」
「業界的に多層構造になっており下請け脱却なんて考えられない」
という声が多い理由は、きちんとした手順や準備をせずに、下請け脱却に向けて不退転の決意をしていない経営者が、軽い気持ちで下請け脱却を画策・実践しているからです。当社にも、「コロナ禍で元請からの受注が減ったので、新しい販路を開拓しようとしたところ、元請先にその動きがバレてしまい契約解除するかどうかというところまで揉めた。」というような相談をいただくことが増えてきました。
このコラムでは正しい下請けからの脱却方法を理解していただき、皆さんが経営者としての生殺与奪権を取り戻すお手伝いをさせていただきたいと思っています。
先にお伝えすると、下請けからの脱却に向いている会社は独自のノウハウや技術がある会社です。なぜなら、下請けからの脱却は、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先を開拓できるまでの間、きちんと利益を確保して会社を存続させる必要があるからです。このため、独自のノウハウや技術があればあるほど利益を確保できる可能性が高まりますので、新規取引先を開拓できるまでの間、きちんと利益を確保して会社を存続させられる可能性が高ければ高いほど下請けからの脱却に向いていることになります。
そして、独自のノウハウや技術がある会社が、下請けから脱却するために最も成果をあげることができるのは新規取引先の開拓をするときです。下請けからの脱却は、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先をいくつも開拓することで取引先を分散させ、特定の取引先に依存しないようにする仕組みなので、新規取引先をいかに多く獲得するかがカギになります。そのため、競合他社にはない独自のノウハウや技術があることが望ましいのです。
逆に、独自のノウハウや技術がそれほどない会社は無理に下請け脱却を目指さないでください。重視すべきは下請け脱却ではなく、事業継続性です。
また、下請け脱却目的で独自のノウハウや技術の安売りをしないでください。独自のノウハウや技術は高付加価値で高単価・高利益を享受すべきであり、適正な利益を確保しなければ事業継続性が低下する可能性さえ出てくるのです。
本コラムでは、独自のノウハウや技術で下請け脱却に必須の仕組み構築法と、下請け脱却に向いている会社・向いていないない会社、儲かるビジネスモデルに転換できる独自のノウハウや技術について詳しくお伝えします。
目次
【1.独自のノウハウや技術で下請け脱却に必要となる費用は確保できる】
独自のノウハウや技術で下請け脱却は実現できます。ポイントはずばり、独自のノウハウや技術により下請け脱却で必要となる費用を確保することです。以下で詳しく仕組みを説明していきます。
1.1.独自のノウハウや技術で必要となる利益を確保できるのは「高付加価値」で作った利益を下請け脱却のための費用に充当できるから
独自のノウハウや技術で下請け脱却できる理由。それは、
① 独自のノウハウや技術により、きちんと利益を確保して下請け脱却で必要となる費用を賄い、会社の事業継続性を高めて、
② これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先をいくつも開拓することで取引先を分散させ、特定の取引先に依存しないようにすることができるから
です。
このことをきちんと理解せずに、下請け脱却を図ることは自殺行為にも等しいと言わざるを得ません。
①について:コロナ禍で売上シェア50%の大口元請先からの受注が大幅に減ってしまい、このままの状況が続くと事業継続が難しい場合、大幅に減った受注分を何らかのかたちでカバーしなければなりません。
その際、独自のノウハウや技術があれば、残っている取引先からの利益である程度の期間は持ち堪えることや、新商品を開発することにより利益率のより高い商品を販売していくことも可能になります。
また、独自のノウハウや技術により、これまでの利益の蓄積である内部留保も十分な場合が多く、環境の変化に対する耐性があるので、商品・サービスのスクラップ・アンド・ビルドも対応可能です。
このように、独自のノウハウや技術があることにより、仮に大口元請先からの受注が大幅に減った場合でも十分に対応可能なのです。
②について:新規取引先開拓はしているが、ずっと同じ業種・業態向けに活動してきており、これから新しい業種・業態へ進出していかなければならない場合、どのような新商品・新サービスを開発すれば相手先の課題を解決できるかという観点でヒアリングからやっていただくとうまくいきます。
時間的余裕と独自のノウハウや技術があれば、プロダクトアウト(自社の技術や方針など優先して製品を開発する)ではなく、是非ともマーケットイン(顧客ニーズを起点に製品やサービスを開発する)で、新商品・新サービスを開発してください。
留意点としては、「独自のノウハウや技術を活かす」ことを念頭に、「当社なら独自のノウハウや技術でこんな商品・サービスをご提供できますが、いかがでしょうか?」とアプローチしてください。
このように、競合他社比有利な新規営業活動ができるので獲得につながりやすいということはご理解いただけると思います。
1.2.まず1社新規取引先を獲得しなければ何のはじまらない
これまで下請け体質にどっぷりと浸かっていたため、新規取引先開拓をしたことがない、どのように新規取引先を獲得したらいいかわからないという場合、社長が先頭に立って、何が何でも契約を獲得してきてもらうのが一番手っ取り早いです。
その際、独自のノウハウや技術があれば、競合他社と比べて有利な新規営業活動ができますので、より効果的かつ短期間でクロージングにつなげることが可能になります。
何はともあれ、ビジネスの基本である5W1Hをベースに、新規取引先を獲得するまでにやるべきことを整理・実施しましょう。
・Who(だれが):
・When(いつ):
・Where(どこで):
・What(なにを):
・Why(なぜ):
・How(どのように):
このように、独自のノウハウや技術があることにより、仮に新規取引先開拓を全くしてきていなかった場合でも十分に対応可能なのです。
1.3.新商品・新サービスを開発することで多数の新規取引先を獲得できる場合もある
先ほどの1.1.②のようにこれまでの業種・業態と異なるマーケットに新商品・新サービスを展開する場合、マーケットイン(顧客ニーズを起点に製品やサービスを開発する)で、新商品・新サービスを開発していくのがオススメ。
そして、顧客ニーズを起点にしているために、進出する業種・業態ではこれまでその解題の解決は難しいと未解決で放置されていることが稀にあります。あなたの会社の独自のノウハウや技術があれば簡単に解決できるような場合だと、業種・業態特有の課題解決につながるために、新商品・新サービスを開発することで多数の新規取引先を獲得できる場合もあるのです。
【2.下請け脱却を目指すべき社長とすべきでない社長】
独自のノウハウや技術で下請け脱却すべきなのは、ずばり、独自のノウハウや技術を明文化できている社長です。なぜなら、独自のノウハウや技術がどういうものか明文化されているということは、社長個人だけでなく社内の従業員にも競合他社とどのような点で異なっているのかが明確になっているからです。
逆に、独自のノウハウや技術で下請け脱却すべきでないのは、独自のノウハウや技術を明文化できていない社長です。なぜなら、独自のノウハウや技術というのが、社長個人の自己評価であることも多く、実際にどのようなものかを掘り下げていくと、競合他社でもやっているようなことだったりするからです。
以下で詳しく説明します。
2.1.下請け脱却を目指すべきなのは独自のノウハウや技術を明文化できている社長
下請け脱却のためには、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先を開拓しなければなりません。超スペシャルの新商品・新サービスでもない限り、未開拓のマーケットは残念ながらありません。
これまでの元請と同等またはそれ以上の新規先を開拓するということは、それまで競合他社が獲得していたマーケットをあなたの会社が奪い取るということですので、奪取できるだけの独自のノウハウや技術があれば新規先の開拓の可能性があります。
あとは、その独自のノウハウや技術が、新規取引の対象顧客に対して、現在取引している競合他社よりも課題解決につながり、切り替えることでメリットが享受できることを理解してもらうことができればいいのです。
そのためには、独自のノウハウや技術が明文化されていることが最低限必要となります。新規取引の対象顧客には、どのような課題があり、その解決に独自のノウハウや技術が役立つのかを再定義してアプローチするのです。
新規取引の対象顧客に刺さる提案・アプローチができるまで、試行錯誤を繰り返していくことで、新規取引獲得につながるはずです。
2.2. 下請け脱却を目指すべきでないのは独自のノウハウや技術を明文化できていない社長
一方で、独自のノウハウや技術を明文化できていない社長には下請け脱却はおすすめしません。なぜなら、競合他社との差別化ができないため、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先を開拓することができないからです。
バブル崩壊前ならいざ知らず、現在の日本では売れない商品・サービスを情に絆されて購入してくれるような会社や個人はいないのです。何らかの点でこれまで購入していた商品・サービスよりも優れている、課題を解決してくれるということがなければ、だれも手間を掛けてまで切り替えることはしないのです。
特に、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規先を開拓するのであれば尚更です。切り替えに際しては間違いなく社内決裁を取得する必要があり、その稟議でこれまで購入していた商品・サービスよりも優れている点、課題を解決してくれる点を説明しなければ決裁されません。相手先の社長以下、全従業員が納得する説明が必須なのです。
あなたが相手先の担当者だったとして、社長まで稟議を申請して説得できるだけの内容になるまで、自社の商品・サービスを磨き上げて、独自のノウハウや技術を明文化できるまで頑張りましょう。やり方がわからなければ、当社にご相談ください。
【3.下請け制度の背景にあるもの】
独自のノウハウや技術があれば下請け脱却できると説明してきましたが、そもそも下請け制度はどのような背景があって、これほど強力なシステムとして機能しているのでしょうか?
下請け脱却を目指すためにも、この下請け制度の背景について理解しておくことが重要ですし、今後の対応に役立ててください。
3.1.日本古来の制度(村八分、家長制度)
最初に考えるべきは、日本古来の制度です。
・村八分
明治維新以前の日本では、庶民の大半が農村で生活しており、村落という共同体に頼って暮らしていて、村八分というルールで集団への帰属意識を高めていました。
・家長制度
「家制度」が廃止されるまでは、歴史的に父系の「家長制度」となっていて、家長の権利が非常に強く、家長に反発することも許されなかったため、服従の思想が根付いていました。
3.2. 敗戦後の教育システム(資本主義の担い手育成)
歴史的な「家長制度」に加え、敗戦後の教育では「資本主義の担い手としての庶民」を育成するために画一的な教育システム(いい学校→いい大学→いい会社→生涯安泰)が構築・実践されてきました。
3.3. 敗戦後の社会システム(資本主義の台頭)
敗戦後、「資本主義の成功モデル」を構築し、資本主義の浸透・発展とともに脅威の復興を遂げた。終身雇用制度などにより、会社=一家、社員=家族という関係性がシステムとして醸成されてきました。
3.4. 現状維持バイアス(心理面)
古き良き時代のままの思考回路から抜け出せず、さらに敗戦後の復興という成功体験もあるため、思考停止状態に陥り、このままでよいという現状維持バイアスからなかなか抜け出せない。
【4.下請け脱却でよくあるご質問3選】
4.1.下請けから脱却をしようとすると元請先から邪魔が入るのでは?
バブル崩壊後、日産自動車のゴーンショックの頃までは、「脱 下請」の申し入れに対し、親会社や大口受注先の一部からの反対や嫌がらせがあったこともありましたが・・・
経済産業省、中小企業庁や公正取引委員会が下請法の運用基準を改定し、法令順守を強く要請していること、さらに、今般のコロナ禍での影響等もあり、最近はそのような事例は聞かなくなりましたので、心配する必要はありません。
あなたが親会社や大口受注先から出向してきた雇われ社長(=会社員)であったり、親会社が50%以上の議決権を持ち実質的に同一会社内での取引とみられる場合を除き、自社の「生殺与奪権」を、親会社や大口受注先に決して握らせてはいけません。
コロナ禍による非常事態宣言などで、既存の取引を守ることに終始し防戦一方になりやすい状況ですが・・・
「ピンチこそチャンス」、何としても「下請け脱却」しつつ「販路拡大」に積極的にチャレンジしていきましょう。
平常時には、なかなか「脱 下請」にチャレンジすることは難しいものです。
しかし、コロナ禍で経済が低迷している現在だからこそ、親会社や既存の大口取引先とあまり事を構えずにチャレンジすることが可能なのです。
経営者であるあなたがきちんと「下請け脱却」に舵を切って、経営権を手にしてください。
4.2.独自のノウハウや技術があればそもそも下請けにならないはずでは?
下請け脱却のためには、独自のノウハウや技術を活かして、これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先を開拓しなければならないとお伝えしてきましたが、独自のノウハウや技術があればそもそも下請けにならないのでは?というご質問もよくいただきます。
私の知る限りでは、独自のノウハウや技術を持っている会社の方が、持っていない会社よりも下請けになっていることが多いです。なぜなら、元請側からすれば、独自のノウハウや技術を持っている会社を下請けにした方がメリットになるからなのです。
独自のノウハウや技術のない企業であれば、どこでも代替可能なので、あえて下請けにする必要はないのです。
4.3.新規取引先開拓は苦手なので他の方法はないか?
もし、今までも新規先開拓をしてきているのであれば、経営者として経営資源を重点的に投入することで強力に推進しましょう。
万が一、新規先開拓を全くしたことがない、ということであれば、経営者であるあなたが先頭に立って、新規大口受注先の獲得に全力で取り組んでください。
言い訳している暇はありません。
リーマンショック、東日本大震災、コロナなどの影響が、あなたの会社にどの程度遅れて影響が出てきたかを振り返ってください。
どの程度遅れて影響が出たか、から逆算して、今後の有事では影響が出るまでに新規大口受注先を獲得しなければならないのですから・・・
【5.独自のノウハウや技術で下請け脱却できると思ったのに…!2社の失敗例】
日本では、主に建設業や製造業を中心として受注がほぼ下請けになっている会社が非常に多いです。このため、多くの会社が下請けから脱却したいと思っていますが、なかなかハードルが高くて、そもそもどのようにすればよいのかもわからないのが実態ではないでしょうか。
当社のセミナーやコラムを参考にされ、「独自のノウハウや技術があれば下請け脱却できる」と早合点されて、きちんとした準備をしないままに下請け脱却を目指してしまうこともあります。下請け脱却という目的があるにもかかわらず、きちんとした準備をせずに動いてしまったため結果的に下請け脱却どころではなくなってしまった、という会社もあるのです。
5章では、当社にご相談に来られた会社の中でも、きちんとした準備をしないままに下請け脱却を目指してしために後悔することとなった2社の例をご紹介します。
5.1.新規取引先が思ったように獲得できない
A社は独自のノウハウや技術さえあれば、新規取引先が開拓できると考えて下請け脱却を目指しました。自社の独自のノウハウや技術に自信を持っていましたが、新規取引先の開拓がなかなかできないと気づいたのです。
新規取引先の開拓ができないのは、その独自のノウハウや技術が、新規取引の対象顧客に対して、現在取引している競合他社よりも課題解決につながり、切り替えることでメリットが享受できることを理解してもらうことができていなかったためです。
独自のノウハウや技術を明文化しておらず、新規取引の対象顧客には、どのような課題があり、その解決に独自のノウハウや技術が役立つのかを再定義してアプローチしていませんでした。
新規取引の対象顧客に刺さる提案・アプローチができるまで、試行錯誤を繰り返していくことで、新規取引獲得につながるはずです。
5.2.運転資金が足りず黒字倒産の窮地に
製造業B社は独自のノウハウや技術を活かして、新規取引先を順調に獲得していました。これまでの大口元請先との取引も順調であり、足元の売上高は昨年度の1.5倍にもなったのです。B社の社長としては、これで下請けからの脱却に目処がついてきたと思っていました。
しかし、経理部門から社長の携帯宛てに「社長、大変です!残高不足で、明日(月末)の資金決済ができません(汗)」との連絡が入ります。
驚いたB社の社長は定期預金を解約して決済口座に入金、月末の決済については事なきを得ましたが、経理に確認させてみると、必要運転資金の確認を怠っていたとのことでした。通常、売上高が1.5倍になれば、必要運転資金も1.5倍になりますが、そのことに関心が向いていなかったのが原因です。
このように、独自のノウハウや技術を活かして、新規取引先を順調に獲得していたとしても、売上高が1.5倍になれば、必要運転資金も1.5倍になることを頭に入れていないと、黒字倒産の危機に直面することになります。
下請け脱却をするためには、きちんとした知識・下準備をしてやっていくことがいかに大切か、お分かりいただけたかと思います。
【6.実際に取り組んだ事例での7ステップ】
ここまでは、①独自のノウハウや技術により、きちんと利益を確保して下請け脱却で必要となる費用を賄い、会社の事業継続性を高めて、
②これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先をいくつも開拓することで取引先を分散させ、特定の取引先に依存しないようにすること
について説明しましたが、実際に取り組んだ事例での7ステップをお伝えします。
6.1.独自のノウハウや技術の整理、商品・サービスラインナップの見直しによる利益確保
独自のノウハウや技術を整理・磨き上げるとともに、商品・サービスのラインナップを見直すことで、これまで以上に利益率をあげます。
そうすることで、新規取引先を開拓できるようになるまでの間、きちんと利益を確保して会社を存続させることが可能となり、下請けからの脱却に注力する土台づくりができるのです。
6.2.下請け脱却のために新規取引先リストの選別・リストアップ後、社内方針決定
下請けから脱却するために必要となる新規取引先を選定・リストアップするとともに、社長であるあなたが不退転の決意で下請け脱却について社内方針を決定します。
6.3.親会社または大口受注先に対して、今後の発注見込を確認
現在の取引先である親会社や大口受注先に、今後の発注見込みをヒアリングします。なお、ヒアリングは、短期(1年程度)・中期(2〜3年)・長期(5年程度)とし、今後の発注がどの程度になるかを確認することで、工場や人員配置などをシミュレーションします。
そのシミュレーションをベースに、下請け脱却のための新規取引先をどのくらい獲得していくべきなのかを社長であるあなたが決定するのです。
6.4.回答結果に応じて対応(伝え方が変わるだけで、下請け脱却は決定事項)
a:発注見込額が回復見込または変化なし
今後、コロナと同様の事態が発生したときに備えて下請け脱却の対応をする旨打診(表明)
b:発注見込額が低下傾向継続見込み
下請先としては、事業継続が厳しいために下請け脱却の対応をする旨打診(表明)
6.5.新規取引先リストの獲得見込みが高い先へのアプローチ開始
a:既に、経営者や営業担当者が新規取引先との接点がある場合
最高経営責任者であるあなたが先頭に立って営業推進
b:経営者や営業担当者が新規取引先との接点がない場合
経営者仲間の紹介、知人の紹介、その他ビジネスマッチングなどを活用しつつ、最高経営責任者であるあなたが先頭に立って営業推進
6.6.新規取引先のクロージング&契約締結、その後営業紹介依頼
新規取引先の営業推進を図るとともに、クロージング&契約締結につなげる。取引開始するとともに、新規取引先から営業紹介をしてもらうように依頼する。
6.7.新規営業の仕組み構築&共有化後、新規取引先を増やすことで下請け脱却を図る
実際に新規契約を獲得できた取引先への営業活動内容やツールなどを見直すことで成約可能性を引き上げるとともに、社内で共有化することで、新規営業の仕組みを整える。
新規営業の仕組みを構築できたら、その他の新規取引見込先へ一斉に新規営業をかける、新規獲得先を大幅に増やすことで、これまでの親会社や大口受注先からの下請け脱却を図る。
【7.最後に】
いかがでしたか。あなたの会社が独自のノウハウや技術により、きちんと利益を確保して下請け脱却で必要となる費用を賄うことができるのか?
これまでの元請と同等またはそれ以上の新規取引先をいくつも開拓することで取引先を分散させ、特定の取引先に依存しないようにすることができるのか?社長であるあなたが、きちんと判断できるようになっていることが大切です。
本コラムを読んで正しい下請けからの脱却方法を理解し、生殺与奪権の取り戻しに失敗したと後悔する社長がいなくなることを願っております。
最高経営責任者であるあなたは、どのようにして正しい下請けからの脱却方法を理解・実践することで、経営者としての生殺与奪権を取り戻しますか?