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今週のコラム 第103話:稼ぐ仕組みづくりの前に、文鎮型組織をぶち壊せ!

「稼ぐ仕組みづくりが、どういうものかについてわかりました。しかし、現在の我が社では、肩書きの違いがあるものの、社長である私以外は部下が横一線になっているような状況です。名前だけ、部長、課長などとつけていますが、部長と課長で職務内容などに明確な違いがありません。こんな状態でも、稼ぐ仕組みづくりは可能ですか?」──弊社のセミナーにご参加された機械製造業の社長からのご質問です。

私からは「もちろん可能ですが、稼ぐ仕組みづくりの前に、ご懸念されている文鎮型組織をぶち壊す(笑)必要がありますね。」と回答させていただきました。

少々荒っぽい言葉を使ったのには訳があります。

この会社の場合、縦串だけでなく横串も整っておらず、単なる社員が集まっている集団に過ぎない状態になっており、何事も社長が決めなければ何も決まらないので、先ずはそこから変えていかなければなりません。

稼ぐ以前の問題であり、もしもこのまま稼ぐ方向に舵を切ってしまうと大変なことになります。ただでさえ多忙な社長の負担が更に大きくなるのですから、とても社長の身体がもちません・・・

最初にやらなければならないのが、階層別の意思決定・命令系統(=縦串)を整えることです。そのためには、階層別にどのような仕事をしなければならないのかを明確に定義する必要があります。

会社の規模や、社長の考え方にもよりますが、社長、部長、課長、係長、一般社員、といった分類が一般的です。階層別の意思決定・命令系統(=縦串)により、上位職の指揮命令に従って下位職が動く組織のとなり、トップダウンで行われることから、我々のような中小企業で組織を統率するのに適しています。

この縦串ができてから、業務や職務の内容、または専門分野に応じて機能別に意思決定・命令系統(=横串)を整えます。

商品をつくる製造部門、販売を担当する販売部門、顧客を開拓する営業部門などの機能に分けることで、能力やスキルを専門化できるようになります。ノウハウや知識、スキルが蓄積されやすくなり、各社員による能力・作業のブレを最低限に抑えることができます。役割が明確に割り振られているため、業務の重複を防ぐことができ、生産性や効率のアップにも効果的です。

階層別の縦串と、機能別の横串をきちんと組み込むことにより、組織としての機能が最大限に活用できるだけでなく、個人の能力に依存しない組織づくりが可能となるのです。

言うのは簡単ですが、実際にやるとなると非常に大きなハードルを越えていかなければなりません。この社長が、「名前だけ、部長、課長などとつけていますが、部長と課長で職務内容などに明確な違いがありません。」と気にされているように、そもそもの職務内容などの明確な定義もなく、各社員が肩書きとは無関係に何となく適当に対応して、問題があれば全て社長が最終的に対応してきたので・・・

新しく階層別の縦串を導入するには、それぞれの肩書きに応じて階層を決めなければなりません。各社の置かれた状況などにもよりますが、イメージしやすい言葉で定義すると以下のようになります。

 社  長:経営者層(経営理念、事業理念など経営に関する決定をする)
 部  長:管理者層(経営者層の決定に基づき、企業活動ができるように管理・実行する)
 課  長:判断者層(日常業務上、判断を要する事案について判断・管理・実行する)
 一般社員:作業層(日常業務おこなう)

当然ながら、それぞれの階層で必要となる要件・権限などを固めることで、何をやる階層であるかが明確となり、企業活動をスピーディーに行うことができるだけでなく、各階層で判断・管理・実行ができるようになるために社長への相談・決裁などの負担が激減します。

このことにより縦串が機能し、社長が本来経営者として行うべきである、経営に関する決定などをする時間が確保できるようになるのです。

機能別の横串に着手するのは、この状態になった後です。
間違っても、階層別の縦串の前に機能別の横串をやらないでください。各階層で判断・管理・実行ができてもいないのに、機能別の横串をすすめると、意思決定・命令系統をさらに増やすことになりますので、これまで以上に社長への相談・決裁などの負担が激増します。

こうなってしまったら・・・
もう社長として、会社に出社することさえも嫌になってしまい、鬱病になってもおかしくありません。それこそ、会社が空中分解してしまうような状況になってしまうのです。

何事も順番が大事です。

特に、会社組織を変更する際には、最終的にどのような形にするのか、その変更で動線がどのように変わるのか、その順番は無理がないか、などをきちんと検証した上で対応しなければ、良かれと思ってやった組織変更が逆効果になってしまうこともあるのです・・・

会社という組織は、社長の器以上にもなりませんし、社長の器以下にもならないことは、これまで多くのオーナー経営者、そして4,000社以上の企業経営に関わらせていただき、体感として認識しています。

そして、社長の器が大きく成長するときや、会社の組織が大きく良い方向に転換した際には、これまでとは比べ物にならないくらいの大きな力が作用して、一気に儲かる仕組みづくりが定着して稼げる組織に進化するのです。

儲かる会社になるための基本戦略だけでなく、商品・サービスの高付加価値化・高単価化、属人的でない営業体制の構築、運転資金の適正化、長期成長戦略を具体化することで、社長として理想とする会社の未来像を描くことができるようになるのです。

想像してみてください。

あなたが経営する会社の特徴・特質を活かした戦略でマーケットを開拓し、商品・サービスを更にブラッシュアップすることで高付加価値化・高単価化を実現する。

そして、スーパー営業マンがいなくても、組織全体で営業活動を行い、新規取引先を獲得するだけでなく、既存取引先との取引関係も常にスクラップ&ビルドしていく。

さらに、売掛債権・在庫・仕入債務の関係で必要となる運転資金を適正な水準に整えた上で、長期成長戦略で5年後、10年後、そして未来を持続的な成長に導くことで、社長の理想とする会社にドンドン近づけることができる。

きちんとした順番で儲かる仕組みづくりを行えば、これらのことが相乗的に作用して、営業利益率12%超で稼ぎ続けることも可能になるのです。

さあ、一緒に経営者としての醍醐味を味わいましょう!