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今週のコラム 第91話: 「高品質・高価格」をトコトン追求することで価格改定に取り組むべし!

「髙窪先生、我々のような中小企業は、こんなにもお金を稼ぐことが難しい立場に立たされているものなのですね。これまでは、業界慣行などもあり、全く考えていませんでしたが、先生の説明を聞いて愕然としました。このままでは、いくら頑張ってもお金を稼ぐことができないだけでなく、頑張って売上をあげれば黒字倒産になる可能性が高いなんて・・・(驚)」──先日のセミナーにご参加いただいたとある製造業の社長のご感想です。

確かに、業界特有の慣習・慣行がいろいろとありますので、ある程度それに合わせた対応をしなければならないことも理解しています。特に、大手企業が相手となると、我々のような中小企業では太刀打ちできずに、取引条件が先方に言われるがままになってしまうことも多々あります。

また、大口取引先などに対しては、原材料の高騰などによる価格改定などを申し入れる際も、「そうだよね。原材料などが高騰しているのは理解しているけど、ウチも結構厳しくて・・・これまで通りに発注するから、価格も今までのままでお願い!」などと言われてしまい、なかなかこちらが考えているように交渉が進まないことが多いものです。

政府からも、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ(令和3年12月27日:内閣官房、消費者庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、公正取引委員会)」が発表されました。「中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、生産性向上に取り組む中小企業を事業再構築補助金等により支援していくことに併せて、取引事業者全体のパートナーシップにより、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できることは重要である。」として、10項目もの新たな取組を開始し、フォローアップしていくことを通じて、転嫁対策に全力で取り組んでいくとの発表がなされていますが、それだけ我々のような中小企業が価格改定・価格転嫁することが難しいということです。

つまり、現状のまま何もしなければ、我々のような中小企業が原油高、原材料の高騰、円安進行による輸入原材料の価格上昇の影響をモロに受けるにも関わらず、それを販売価格に転嫁できずに企業体力をドンドン削がれていく・・・

その一方で、大手企業では過去最高益を更新しているようなところもあります。
言葉を選ばなければ、少しでも条件の良い中小企業を選別することで、原油高、原材料の高騰、円安進行による輸入原材料の価格上昇に伴う負担増を中小企業に押し付ける一方で、最終消費者向け販売価格はきちんと価格改定するのですから最高益更新するもの当然ですよね。

中小企業は、大手企業のための調整弁ではありません!
系列会社や下請会社として機能しているのであれば、それが前提とされても仕方ないかもしれませんが、独立系であれば由々しき事態です。早急に改善すべく対処しなければなりません。

では、どうすればいいのでしょうか?
当然ながら、それぞれの会社の状況に応じた対応が必要となりますが、一例としては適正な利益を獲得できるような「新商品」をつくり、新しい取引先だけでなく、既存取引先へ販売商品の見直しをすることが考えられます。もちろん、価格だけでなく、回収条件などもきちんと見直してください。でないと、黒字倒産もあり得ますので・・・

そして、この「新商品」を売って、売って、売りまくるのです!
そうすることで、適正な利益を獲得しながら売上を上げることになるので、当然ながら「お金」がついてきます(笑)。売れば売るほど、チャリン!チャリン!チャリン!と「お金」が増えるのです。つまり、会社の企業体力が増強されるのです!

そうして、企業体力が増強されて、利益(=お金)が積み上がってきたら、これまで価格改定をさせてくれずに取引条件の悪かった大手企業との取引を見直しましょう(価格だけでなく、回収条件などもきちんと見直してください。)。

改めて、原材料の高騰などによる価格改定などを申し入れるのです!
応じてくれなければ、最終的に「取引解消」も仕方ありません。価格改定に応じてもらえれば「取引継続」で良い取引関係を今後とも構築していってください。

我々のような中小企業はないないづくしです。
企業として必要な、「人員(ヒト)」、「商品・サービス、設備(モノ)」、「運転・設備資金(カネ)」などが、大手企業に比べて圧倒的に不足しています。

だからこそ、「商品・サービス(モノ)」を磨き上げて、適正な利益を獲得できる「新商品」をつくり、それを売ることに注力することで、必要となる「運転資金(カネ)」を確保しなければなりません。その上で、社内に仕組みを構築するとともに、「人員(ヒト)」を増員して、企業規模を拡大していくのです!

このように、自社の特性・ノウハウを活かした「新商品」開発・販売(適正利益確保、良好な回収条件)→手元現金の増加→企業体力増加→大手企業への取引改善申し出(価格改定、現行の回収条件改善、できない場合は取引解消)→取引先の選択と集中→取引採算の大幅改善→人員増員による販売強化→売上増大・企業規模拡大、といった流れができるようになるのです。

他社とは違う優れた技術やノウハウを更に磨き上げて、「高品質・高価格」を実現し、差別化集中戦略で大手企業とも伍していけるようになれば、これまでなかなか打ちぶれなかった売上高の壁も突破し、3倍・10倍といった売上・利益目標も視野に入ってくるはずです。

イメージとしては、「業界内のフェラーリ、ポルシェになって高品質・高価格を実現」するような感じですので、とことん「高品質・高価格」を追求してみてください。
そうすることで、一気に視界が開けてくると思います。

あなたは、経営者としてどのように価格改定に挑みますか?