ビジョン実現コンサルティング

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今週のコラム 銀行のビジネスマッチングと一般的なビジネスマッチングとの違い

「最近、地銀がビジネスマッチングに注力しているということで、うちにもビジネスマッチングの打診がきました。ビジネスマッチングがそもそもどういうものなのか?そして、銀行のビジネスマッチングと他業者の一般的なビジネスマッチングとの違いを教えてもらえませんか?」──とある経営者の方からのご相談です。

以前、地銀再編についてはお知らせしましたが、地銀が生き残りをかけてコンサルティング業務である「ビジネスマッチング」や「中期経営計画の策定支援」に注力していくという、2021年8月12日の日経新聞記事(武蔵野銀行、頭取「コンサル業務を強化」 地域商社も検討)も直近でありましたので、気になる経営者の方も多いのではないでしょうか?

そもそもの前提となる「ビジネスマッチング」についてですが、「婚活」をイメージしていただければ問題ありません。

「婚活」は合コンやお見合いパーティーへの参加、結婚相談所や情報サービス会社への登録など、結婚相手を見つけるための積極的な活動をいいます。これに対して、「ビジネスマッチング」は商談会や展示会・博覧会への参加、銀行などのビジネスマッチング機関やビジネスマッチングサイトへの登録など、自社の商品・サービスを必要とするパートナー企業を見つけるための積極的な活動をいいます。

<婚活の場合>      <ビジネスマッチングの場合>
 ・結婚相談所     ↔︎ ・銀行などのビジネスマッチング機関
 ・お見合いパーティー ↔︎ ・展示会、展覧会
 ・婚活サイト     ↔︎ ・銀行などのビジネスマッチングサイト

「婚活」は男女間の個人的なマッチング、「ビジネスマッチング」は企業間のマッチングとなりますが、やるべきことは同じです。どのようにして素敵な相手をパートナーとして迎え入れるかが勝負になります。

「婚活」の場合、相手の性格・年齢・容姿・職業・年収・趣味・家族構成など、男女それぞれに求める条件があり、条件に合致したパートナーを見つけ出さなければなりません。また、相手がある話であり、自分の条件に合致したパートナーを見つけ出しても、パートナーから気に入ってもらわなければ結婚には至りません。

「ビジネスマッチング」の場合も同じです。相手企業の商品・サービスの特徴・規格・単価・販売単位・納期など、双方の企業それぞれに求める条件があり、条件に合致したパートナーを見つけ出さなければなりません。また、相手がある話であり、あなたの会社の条件に合致したパートナー企業を見つけ出しても、パートナー企業から気に入ってもらわなければビジネスマッチングの成約には至りません。

<婚活の場合>            
 ・職業(安定していること)    
 ・年齢(上は8才、下は3才まで)  
 ・年収(450万円以上)      
 ・出身校            
 ・身長(170cm以上)  
 ・ルックス(清潔感がある)    
 ・趣味             
 ・性格             
 ・自己アピール         

<ビジネスマッチングの場合>
↔︎ ・事業内容
↔︎ ・業歴、企業体力
↔︎ ・売上高(○億円以上)
↔︎ ・独立系または○○系列
↔︎ ・商品&サービスのスペック
↔︎ ・商品&サービスのスペック
↔︎ ・商品&サービスの指向
↔︎ ・企業理念、経営戦略
↔︎ ・商品&サービスの導入によるメリット

「婚活」で履歴書や職務経歴書が必須で、その内容で相手を判断するのと同じく、パートナー企業もあなたの会社の商品・サービスを確認した上で取引の可否を考えます。

ここまでは、「銀行のビジネスマッチング」と「一般的なビジネスマッチング」で違うところはありません。
「銀行のビジネスマッチング」と「一般的なビジネスマッチング」で、大きく違うとこととしては次の3つです。

1.(銀行の審査基準をクリアしており)紹介時の信用力UPにつながる

2.(銀行は社会インフラであり)紹介可能企業数が圧倒的に多い

3.(銀行は銀行業を営んでおり)ビジネスマッチング成功時の融資対応が可能

まず、「(銀行の審査基準をクリアしており)紹介時の信用力UPにつながる」ですが、銀行も多忙な中で、銀行としての信用を使っての「営業紹介」をするので、それ相応の企業でないと「営業紹介」をしてもらえません(事前審査がある場合が多いです)。

また、紹介を希望するパートナー企業との企業規模の差が大きい場合には、「本当に取引して大丈夫か?」という懸念がパートナー企業の社内に生じることがあります。この場合でも、銀行からの紹介であれば「〇〇銀行からの紹介」の一言をパートナー企業の社内稟議に記載するだけで、(銀行の紹介による信用力UPにより)稟議決裁となることが多いのです。

次に、「(銀行は社会インフラであり)紹介可能企業数が圧倒的に多い」ですが、一般的なビジネスマッチングでは、あなたの会社が希望するパートナー企業がビジネスマッチング機関に登録されていなければ、ビジネスマッチングの申し込みさえできません。

でも、あなたの会社が希望するパートナー企業は間違いなくどこかの銀行と取引があるはずです(でないと資金決済ができませんので、企業活動が行えません)。

このため、どのような企業をパートナーとして希望したとしても、そのパートナー企業と取引のある銀行にビジネスマッチングを依頼することで、申し込みが可能となります。

最後に、「(銀行は銀行業を営んでおり)ビジネスマッチング成功時の融資対応が可能」ですが、ビジネスマッチングが成功して、あなたの会社の売り上げが増加した場合に必要となってくるのが増加運転資金です。更なる受注のために工場・機械の増設が必要となれば設備資金が必要となってきます。

このように増加運転資金や設備資金が必要となった際には、ビジネスマッチングをした銀行が間違いなく融資を実行してくれるはずです。なぜなら、あなたの会社の販売先がその銀行からの紹介であり、(ビジネスマッチングの事前審査済で)与信面も問題なく、資金使途がはっきりしており、融資の基本原則が全て充足できるからです。

<融資の基本原則>
① 安全性の原則:融資が期日に回収できること。これが一番大事。
② 収益性の原則:リスクに見合った適正な収益を得られること。
③ 成長性の原則:融資の結果、融資先の健全な成長につながること。
④ 公共性の原則:融資先が法令や行政上の規則、指導に従いビジネスを行っていること。
⑤ 流動性の原則:融資期間を調達する預金などの期間に見合った期間にすること。

このため、取引をどんどん拡大したとしても、資金繰りがネックとなり取引拡大にストップがかかることはありません。取引をどんどん拡大することで、銀行に対してあなたの会社の信用貯金がどんどん増えるのです。一般的なビジネスマッチング機関は、銀行業ではありませんので融資案件に機動的な対応をすることができません(ノンバンクなどの紹介があるかもしれませんが、金利等の条件が厳しいはずです)。

ビジネスマッチングの概要、銀行のビジネスマッチングと一般的なビジネスマッチングとの違いをご説明しましたがご理解いただけましたでしょうか?

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