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今週のコラム 第6話:元銀行員がアドバイス 経営者が考えるべきたった一つのこと

「先日の地震はすごく揺れましたね。東日本大震災の時の記憶が蘇ってしまいました。「緊急事態宣言」も再延長され、今後の見通しが立たない状況がつづいていますが、元銀行員として経営者向けに何かアドバイスをいただけませんか?」、と製造業のA社を経営されている方から半分嘆きにも聞こえるご質問をいただきました。

元銀行員なので、このようなご質問をいただくことは現役時代からとても多いです。特に、このように混沌とした状況では、これから先の見通しが難しく経営者の皆さんの悩みは尽きませんよね。

銀行員31年の経験からのアドバイスはただ一つ、「どんな状況でも稼いで、現金を確保してください。」ということに尽きます。どんなに業績が悪かろうが、どんなに借金があろうが、どれだけ下手な経営をしようが、現金があれば会社は倒産しません。
経営者に降りかかってくる問題の9割以上は、現金があれば解決します。

経営者たるもの、天災がこようが、外部環境がどうなろうがとにかく、どんな状況でも売り上げを上げ続けなくてはいけません。

そのためには、①商品・サービスを常に改善し続け、②営業(=マーケティングを活用したセールス)で商品・サービスを売ることが必須なのです。

なんだ、そんな当たり前のことなのか、と言われればその通りなのですが・・・目先のことに追われ忘れてしまいがちな基本、この2点を常に意識し実行し続けていくことで、売上が増加するとともに、現金を積み上げることができるようになります。

とはいえこのアドバイスをさせていただくと、経営者の方が職人気質であればあるほど「我が社の商品は他社が追いつけないほどレベルが高いので、(特に営業しなくても)絶対に売れるはずだ。」というご回答が多くなるのですが・・・

今回、ご質問いただいたA社の経営者の方も、まさにこのケースにぴったり当てはまったのです。

そこで「それでは貴社の商品よりもレベルが低いのに、なぜか売れている他社の商品はありませんか?」という質問をさせていただくと・・・
「そうなんですよ。○○社の商品なんて、我が社より□□のレベルが全くなっていないのに、マーケットシェアは我が社の2倍もあるんですよ。おかしいでしょ(怒)」というご回答が。

確かに、レベルの高い商品が差別化に不可欠であることは、間違いありません。職人気質の経営者の方であればあるほど、商品に対するこだわりも強く、素晴らしい商品を生み出していらっしゃるのですが、本当に残念なのですが、それだけで売れるほど世の中は甘くはないのが現実です。

今回の場合、競合他社の売り上げとの差を考えるとA社は
①商品・サービス>②営業(=マーケティングを活用したセールス)となっている傾向が強い、と類推できます。

一方で、シェア2倍の競合他社の場合は、
①商品・サービス≦②営業(=マーケティングを活用したセールス)となっていることが想定されます。

A社側からのヒアリングベースではありますが、商品・サービスが劣っているにもかかわらず、マーケットシェアが2倍あるのなら、間違いなくマーケティングを活用したセールスに力を入れているはずです。

そこで、さらに
「○○社さんは、どのような営業活動をされているかご存知ですか?」という質問をしたところ、「本当に凄いですよ。商品・サービスがあの程度なのに、営業部員も我が社の3倍もいて、ガンガン営業しているのです。」とのこと。
やはり、2倍もの差がついているのは、営業力の差だったのです。

整理すると次のようになります。
A社 
①商品・サービス>②営業(=マーケティングを活用したセールス)


○○社(マーケットシェアはA社の2倍)
①商品・サービス≦②営業(=マーケティングを活用したセールス)×人員3倍

この結果として、A社:○○社=1:2 となっているのです。

つまり、商品・サービスはA社の方が優れているが、○○社は3倍の営業人員で営業をすることでA社の2倍のマーケットシェアを獲得しているのです。

あなたの会社の商品・サービスがどれほど優れていたとしても、営業をしなければ売れないのです。

「いい商品・サービスさえあれば売れるはずだ。」というのは幻想です。
高品質の商品・サービスは当然備えているべき最低条件で、さらに営業(=マーケティングを活用したセールス)で商品・サービスを知ってもらい、その良さを理解してもらわなければ商品は売れることはないのです。

その一方で、商品・サービスがそれほど優れていなくても、○○社のように営業活動を強化することでカバーすることができるのです。
商品・サービス、営業:マーケティングを活用したセールスのどちらか一方だけができてもダメで、両方がきちんと機能することではじめて売上となるのです。

あなたが何か商品・サービスを購入しようとするときに、当然ながら同様の商品・サービスとの比較検討後、どの商品・サービスを購入するか判断・決定すると思いますが、そもそもその商品・サービスを認識していなければ購入することは決してないのです。

このことを常に念頭において、売るために何をすべきか、を考えるのが経営者がしなくてはならない、最も大切な仕事なのです。

同業他社と比べて、一番良い商品・サービスを提供しているという自負があるのであれば、買い手に対してそのことをきちんと周知・説明する営業活動に注力し、自社が提供する高品質の商品・サービスを世の中のために役立ててもらうよう、力を尽くしてください。

あなたは経営者として、この混沌とした状況でどのように会社を発展させますか?
このコラムをお読みいただいている経営者のみなさま、
「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」という、
「三方よし」の経営をご一緒に実現させましょう!