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今週のコラム 第79話:経営者なら最短で目的を叶えるロードマップを示すべし!

「業務改善をするために、既存業務の見直しをしているのですが、古参従業員の抵抗にあって進捗が芳しくありません。このようなことは、他社さんでも結構あるかと思いますが、髙窪先生はどのようなご指導をされているのでしょうか?」──とある製造業の二代目経営者の方からのご相談です。

業務改善で古参従業員の抵抗にあうことは結構あることですが、特に二代目経営者の方が、意欲的に業務改善をされる際に強烈な抵抗となりがちです。
このため、この手のご相談は二代目経営者の方からいただくことが非常に多いです。

このような古参従業員の抵抗にあった際、共通している事としては「古参従業員が不安を抱えている」ことです。

どういうことかと言うと、古参従業員は業務改善の必要性については理解しているものの、その改善によって自分の仕事がなくなり(もしくは少なくなり)、自分が整理・解雇の対象になるのではないか?という不安を抱えているのです。

そのような心理状態では、業務改善なんて進む訳がありません。
当たり前ですが、自分が整理・解雇の対象になるのではないか?と感じている業務改善に前向きに取り組む従業員はいないのです・・・

では、どのような対応をすればいいのでしょうか?
「各従業員が活躍する場所が、あなたの会社にちゃんとあることを示してください。」
あなたが経営者として目指している将来像を実現するロードマップを示して、それを成すために何をするのか?その目的を叶えるために、各従業員にどのような仕事をしてもらう必要があるのか、そして将来的にどのように活躍して欲しいのかを明確に示してあげてください。

「なんだ、そんなことでいいのか?」
と簡単に捉えないでいただきたいと思います。

経営者の方々は非常に勉強熱心(特に二代目経営者は)ですので、ピーター・F・ドラッカー氏が提唱した「マネジメント」での「ミッション」「ビジョン」「バリュー」などはご存知かとおもいます。(こちらのコラムをご参照ください)

あなたが経営者として、ピーター・F・ドラッカー氏が提唱した「マネジメント」を活用しようとしても、「従業員が、いつ整理・解雇されるかわからなくて不安を感じているような状態」では何も進めることができないのです。

心理学者のアブラハム・マズロー氏も「マズローの欲求5段階説」で、「安全の欲求(=あなたの会社での継続雇用による経済的な安全)が満足されていない企業に、ドラッカーのマネジメント論を適用するのは不可能だ」とコメントしています。

マズローの欲求5段階説を簡単に説明しますとこのようになります。
1:生理的欲求

生理的欲求とは、人間が生存するために必ず必要なものに対する欲求であり、ピラミッドのもっとも低次元にある欲求です。

人間がより高いレベルの内的満足を追求するためには、まず生理的欲求を満たさなければならないとしています。

2:安全の欲求

生理的欲求が満たされると、安全への欲求が人の行動を支配するようになります。

安全とは、例えば暴力や飢えなどにさらされない安全な暮らし、経済的安定性、良い健康状態の維持など、不安を感じない安全な状態を維持したいという欲求です。

3:社会的欲求

生理的欲求と安全欲求が満たされると、社会的欲求が強くなります。この欲求は「愛と所属の欲求」とも言われます。

マズローによると、人間は社会的集団の中で所属感や受容感を求める欲求を持っており、規模の大きさを問わず集団の一員であると感じられることが重要です。

4:承認欲求

承認欲求とは他者から認められたい、自尊心を満足させたいという欲求です。自己の尊厳を求める、尊重されたい欲求ともいえます。

5:自己実現の欲求

自己実現欲求とは、自分の潜在能力を発揮し自分がなりうる最高のものになりたいという欲求です。

スポーツや音楽の世界で成功したい、出世して社長になりたい、理想の家庭を築きたいほか、人によって方向性や目指す大小は異なりますが、自分の能力を生かして成長し続けたい欲求です。

いかがでしょうか?
安全の欲求(=あなたの会社での継続雇用による経済的な安全)だけでなく、社会的欲求(=社会的集団の中での所属感や受容感)、承認(尊重)欲求(=他人から認められたい)や自己実現の欲求(=自分の実力に見合った役職につきたい)なども影響してくることがわかります。

つまり、あなたが経営者として、いかに素晴らしい経営を行おうとしても、従業員の様々な欲求が満たされていないことには、従業員が殻に閉じこもってしまい何もできないのです。あなたの会社の従業員の欲求はどのレベルでしょうか?

このことを十分に理解した上で、業務改善に挑まなければ何もできなくて当たり前なのです。

では、どのようにやればいいのでしょうか?
今回のコラムタイトル「経営者なら最短で目的を叶えるロードマップを示せ!」のように、経営者であるあなたが会社の将来像に加えて従業員にどのように活躍して欲しいかのロードマップを示しましょう。その上で、如何にして最短でそれを叶えることができるのかの道筋を伝えなければ従業員は全く動きません。 

このようにお伝えすると、言うのは簡単だが、どのようにやればいいのか皆目見当がつかない・・・とおっしゃる経営者の方がいらっしゃいます。

これまで、弊社のコラムをご覧いただいた経営者の方はもうおわかりかと思います。
そうです。「経営計画書を策定して、全従業員に周知徹底」することで、実践できるのです。

最高責任者である経営者として、業務改善での古参従業員の抵抗という困難をも楽しみながら乗り越える、という経営者の醍醐味を思いっきり味わっていただきたいと思います。

これまで様々な経営者の方と関わってきましたが、大きく成功された経営者の方々に共通しているのは「困難を困難とも思わずにその状況を楽しんでいる」ことです。

昔から、「チャンスはピンチの顔をしてやってくる。」と言いますが、正にその通りだと思います。

人は元々変化を好みません。「現状維持バイアス」と言って「現在の状態を維持する方向に働く、人が潜在的に持っている心理的効果」があるのです。

あなたも経験がありませんか?何か新しいことをしようとした時に、「◯ ◯ ◯が大変だから、やめておこう!」、「□□□に迷惑をかけるのは、得策じゃないよね。」と、行動を起こさないための言い訳が、次から次へと溢れるように出てくる経験が・・・笑

このような人間として生まれ持った習性を理解し、それに対応した方針・施策を経営者であるあなたが実施することで、会社経営は非常に楽になるだけでなく、結果がついてきます。

「最短で目的を叶えるロードマップ」を示すことで全従業員一丸となり、あなたが理想とする未来像を実現しましょう。

○○○だから難しい、○○○だから仕方ないではなく、閉塞感が強い今の状況だからこそ、二代目経営者となるあなたが業務改革だけでなくワクワクできる挑戦をして、「ピンチはチャンス!」に変えて打ち勝ち新たな道を切り拓いていただきたい。

二代目経営者として、あなたが経営者として良いと考えることにどんどんトライしてください。トライする度にロードマップは書き換えていけばいいのです。トライすればするほど、あなたの周りの状況が変化してくるはずです。

経営者としての醍醐味を味わい尽くすためにワクワクできる挑戦をし、トライ&エラーの繰り返しが成長の糧になると信じている経営者の方々と一緒にこの時代を乗り越えていきたいと考えております。

あなたは経営者として、どのような「ロードマップ」を示されますか?