〒104-0061
東京都中央区銀座1丁目3番3号
G1ビル7階

TEL : 03-4530-9287

今週のコラム 第99話: 中小企業経営者は人材活用の仕組みづくりに注力せよ!

「昨日、なんとも言えない夢を見てしまいました。
来年度の新卒採用で、応募者ゼロ、当然採用ゼロとなった夢なんですよ。
あまりにリアルな夢だったので、飛び起きてしまいました(笑)
私の求める水準が高すぎるのか不安になってしまって・・・」──とある機械製造業の社長からのご相談です。

なんとも言えない夢を、まるで現実であるかのように見てしまい、飛び起きてしまうことは私にもあります(汗)

この社長のように、この時期に採用ゼロの夢を見てしまうと、皆さんも間違いなく飛び起きてしまうのではないでしょうか?

われわれ中小企業にとって、新卒採用について厳しい状況が続いています。
新卒の学生が減少している中、大手企業が採用を増やしていることから、なかなか経営陣が期待しているような学生が採用できていません・・・

確かに、厳しい状況が続いてはいるのですが、はたして大手企業と同じ土俵に立ち、同じような基準で採用する意味があるのでしょうか?

仮に、大手企業と同じような基準で優秀とされる学生を、われわれ中小企業が採用したとして、新入社員→中堅社員→ベテラン社員→役員と昇進していく際に、どのような過程を辿るのか考えてみましょう。

優秀な学生の基準は数多ありますが、ここでは下記とします(笑)
・いわゆる優秀大学を優秀な成績で卒業見込み
・コミュニケーション能力が高い
・困難な状況に置かれても、変化に適応して突破できる
・質問に対して、短く理論的に回答することができる
・自分に自信があり、将来の明確なビジョンを持っている
・最後までやり抜く情熱を持っている

そして、「大手企業と同じように儲かってお金が残る仕組み」があるか否かで分けます。
最後に、普通の学生でも「大手企業と同じように儲かってお金が残る仕組み」があればどうなるかを例示します。

【優秀学生の理想型(儲かってお金が残る仕組みが社内にある場合)】

まず最初に、どの社長も思い描いている理想的な過程からはじめます。

<優秀学生:新入社員時代(理想型)>

就活を頑張ったにも関わらず、希望する大手から内定をもらえず・・・
中小企業だが、感じのよい社長がいるので入社した。

大手企業に就職した奴らにコンプレックスがないとは言えないが、仕事もOJTで楽しく教えてもらえ、自分の成長が会社の成長にもつながっている感じが気に入っている。

<優秀学生:中堅社員時代(理想型)>

最年少で課長に昇進。
これまでの仕事に加えて、新規事業も企画・立案して大車輪の活躍中。

会社の成長に自分が貢献していることが感じられ、非常にやりがいを感じている。

プライベートでは、昨年結婚、妻は妊娠5ケ月。
生まれてくる子供のためにも健康に気をつけて、頑張りたい!

<優秀学生:ベテラン社員時代(理想型)>

最年少で部長に昇進。
経営企画に参画するようになり、会社経営についての情報収集のため外部の勉強会などにも参加。

業績だけでなく、若手育成なども含めて会社を牽引している実感があり、とても気持ちよく仕事ができている。

同窓会などで、大手企業に就職した奴らと一緒になると、「俺は歯車のひとつでしかない・・・」などと愚痴が多くて残念な気持ちになる。

<優秀学生:役員時代(理想型)>

最年少で役員に昇進。
社長の右腕としての役割を期待され、経営の中核として会社の成長に貢献。

社長との二人三脚で、業績は増収増益。従業員満足度向上のため、各種施策を実施。
ファミリービジネスのグループ子会社の社長に就任。

プライベートでは、初孫を授かり、好好爺として穏やかな生活を送っている。
同窓会では、現役の最前線で活躍しているのは自分だけという現実に驚くとともに、本当にいい会社に就職できたことに感謝。これからは、若手に還元していきたい。

【優秀学生の残念型(儲かってお金が残る仕組みが社内にない場合)】

次に、儲かってお金が残る仕組みが社内にないことで、残念な結果になる過程です。

<優秀学生:新入社員時代(残念型)>

就活を頑張ったにも関わらず、希望する大手から内定をもらえず・・・
中小企業だが、感じのよい社長がいるので入社した。

大手企業に就職した奴らにコンプレックスがないとは言えないだけでなく、仕事も属人的でマニュアルさえもなく、OJTなど期待できない。

どのような仕事があるかさえもわからず、先輩たちに聞いても「やっていることを見て・盗んで覚えろ!」と職人になれとでも言わんばかりの回答しかもらえない。

何をどこまでやれば一人前なのかさえもわからず、どうしたらいいか途方に暮れている。

<優秀学生:中堅社員時代(残念型)>

最年少で課長に昇進したものの、「学歴がよかったからなれただけ」との陰口を言われる。
部下を教育しなければならないのだが、社内マニュアルやルーティンで明文化されたものはなく、どうやればいいのかがわからない。

儲かってお金が残る仕組みが社内にないため、面倒なことだけ押し付けられて困っている。

「なんで俺がやらなくてはいけないのか?」と拒絶しようとすると、「だって、いい大学出てるんでしょ?これぐらい簡単だよね。」と馬鹿にされ、周囲からも笑い声が・・・

俺は雑用係じゃない!本気で転職を考えはじめている。

プライベートでは、昨年結婚、妻は妊娠5ケ月。

生まれてくる子供のためにも早く自分が成長できる企業に転職したい!

<優秀学生:ベテラン社員時代(残念型)>

最年少で部長に昇進したものの、同期で学歴が同じくらいの奴らは全員転職済。

肩書きだけ部長になったが、特にやることはこれまでと変化なく、若干の給与アップと引き換えに、莫大な量の雑務・面倒を処理させられることとなった。

儲かってお金が残る仕組みがないので、業績は成り行き次第。
同窓会などで、大手企業に就職した奴らと一緒になると、「業績アップだけでなく、若手育成なども含めて、俺は歯車のひとつでしかない・・・」などと愚痴が多い。自分は歯車にもなれていないので、羨ましい気持ちになる。

<優秀学生:役員時代(残念型)>

最年少で役員に昇進。
社長の右腕としての役割を期待されているが、経営方針さえも明確になっておらず、社長の一言で右往左往している毎日。

社長の思いつきに日々振り回されており、行き当たり張ったりの方針転換で、業績は成り行き。

このため、従業員の満足度は最悪で、突き上げが激しくなってきており、特に新入社員が数ヶ月で退職してしまう事例が多発している。

プライベートでは、初孫を授かったが、自分のような会社員生活は歩んで欲しくないと考えている。
同窓会では、現役の最前線で活躍しているのは自分だけという現実に驚くも、単なるお飾りにしか過ぎない自分に不安を覚えている。

【普通学生の理想型(儲かってお金が残る仕組みが社内にある場合)】

最後に、優秀ではないが普通の学生を採用した場合で理想的な過程です。

<普通学生:新入社員時代(理想型)>

就活を頑張ったものの、(想定通りに)希望する大手から内定をもらえず・・・
(自分の身の丈に合った)中小企業に、感じのよい社長がいるので入社した。

大手企業に就職した奴らにコンプレックスがないとは言えないが、仕事もOJTで楽しく教えてもらえ、これまで以上に自分が成長して、それが会社の成長にもつながっている感じが嬉しい。

<普通学生:中堅社員時代(理想型)>

課長に昇進。
儲かってお金が残る仕組みがあるので、その仕組みやマニュアルに忠実に仕事をこなし、最年少ではないものの順当に昇進。

目立つ存在ではないが、日々着実に仕事をこなして成果を上げることができている。
プライベートでは、昨年結婚、妻は妊娠5ケ月。
生まれてくる子供のためにも健康に気をつけつつ、さらなる成長をして頑張りたい!

<普通学生:ベテラン社員時代(理想型)>

部長に昇進。
部長として、やるべきことが明確にあり、経営企画に参画するようになる。

また、社長から会社経営についての情報収集のため外部の勉強会などに参加するように指示あり。新しい刺激をもらって、気を引き締めて業務に邁進する。

社内に儲かってお金が残る仕組みの縦串・横串が通っているので、業績だけでなく、若手育成なども含めて対応ができており、とても気持ちよく仕事ができている。

同窓会などで、大手企業に就職した奴らと一緒になると、「俺は歯車のひとつでしかない・・・」などと愚痴が多いが、自分はその歯車を動かしている立場なので、少し誇らしい気持ちになる。

<普通学生:役員時代(理想型)>

役員に昇進。
社長の右腕としての役割を期待され、経営の中核として会社の成長に貢献できるように、儲かってお金が残る仕組みのブラッシュアップに注力。

社長との二人三脚で、業績は増収増益。従業員満足度向上のため、各種施策を実施。
プライベートでは、初孫を授かり、好好爺として穏やかな生活を送っている。

同窓会では、現役の最前線で活躍しているのは自分だけという現実に驚くとともに、本当にいい会社に就職できたことに感謝。これからは、若手に還元していきたい。

少し極端な事例をあげましたが、実際の同窓会での発言や、同級生の本音の発露をベースにしておりますので、それほど違和感ないのではないでしょうか?

このように、優秀な学生と普通の学生の差よりも、われわれ中小企業に大手企業と同じように儲かってお金が残る仕組みがあるか否かで、結果が大きく異なってきます。

誤解を恐れずに言わせていただくと、「大手企業と同じように儲かってお金が残る仕組み」がなければ、いくら優秀な学生を採用できても無駄になってしまうのです。

逆に、「大手企業と同じように儲かってお金が残る仕組み」があれば、普通の学生はもちろんのこと、一般的な四則計算と通常の会話ができれば、一人前の従業員だけでなく、社長の右腕に育て上げることも可能になるのです。

つまり、優秀な学生を血眼になって探すのではなく、ごく普通の学生が育つ仕組みを構築する方が先なのです。そうでなければ、あなたの会社の成長・発展はありません。
このことを胆に銘じていただき、来年度の採用に励んでください!

あなたの会社では、大手企業のように儲かってお金が残る仕組みが、きちんと構築されていますか?